絵は描けてもなかなか難しい漫画の描き方。
対象となるのはこんな人。
- 漫画を描きはじめた初心者
- 漫画を本格的に描いてみたい人
- 漫画のテクニックを知りたい人
描き方から作り方から何から何まで1から教えてほしいです!!
そんな人でも大丈夫!
漫画の描き方のあとには、必須となるテクニックもまとめています。
あるていど描ける人はそちらを参考にしてくだいさいね。
クリックできる目次
漫画の描き方:制作手順
はじめて漫画を描く人には、1つ1つのステップが難しく感じられるかもしれません。
作品を描き続けていると、自然とクオリティも上がってきます。
まずはどんな形でも1作品の完成を目指してくださいね。
では次から漫画を完成させるまでの手順(流れ)を解説していきます。
手順①テーマを決める
ん~まだ何について描くか決まってません…
じゃあまずネタを探そう!
あなたの中にこんなものはありませんか。
- 興味・関心のあること
- 好きなもの
- 憧れや妄想
- 世の中に発信したいこと
つまり、なんでもOKです。描きたいものを描きましょう。
ネタの選定で面白さや、漫画としての完成度が変わることはありません。
大事なのはそれを面白く魅せる漫画のテクニックです。
じゃあ気軽に選んでもいいんだね!
そう!まずは描きはじめることが大事!
どんなネタで描くか迷う方は、テーマの決め方を10個まとめていますので、そちらを参考にしてくださいね。
手順②プロットを書く
プロットってなに?
プロットはストーリーを簡単に表したものだよ
例えばテーマを「音楽」と決めたとします。
でも「音楽」だけだと幅が広いので、プロットを作りやすくするために、舞台を「学園祭」と具体化します。
そして主人公がバンドを組み「学園祭」でステージに立ち、成功させる。
プロットの定義はいろいろありますが、ストーリーの大筋と考えてOK。
このように先ほど決めたテーマをもとに「どういったストーリーにするのか?」を簡単につくります。
簡単でいいならできそうだね
まだそんなに難しく考えなくていいよ
そしてもう1つ。
このプロットの段階で『なにかしらのメッセージ性』も考えておくと、完成した作品には深みが出てきます。
たとえば、
- 学園生活の楽しさ
- バンド仲間との友情
- 音楽は人を楽しませる武器
など。何かしらのメッセージ性を込める。
なるほど!じゃあ全部込めよう!
ちょっとまって!
ここで注意してほしいのは、原則として1作品につき、1つのメッセージにすることです。
あれもこれもとメッセージをつめこみ過ぎると、結局なにが言いたいのかわからない作品になってしまいます。
これだ!と思う1つのメッセージを決めたら、あとはあなたの自由に表現していきましょう。
プロットの詳しい書き方は、下記の記事で解説しています。
手順③キャラクターをつくる
プロットが書けたら、こんどはキャラクター(登場人物)をつくっていきます。
キャラクターをつくるのって難しそう~
初心者は2つのポイントを押さえておけばいいよ!
そのポイントとはこちら。
- キャラの内面
- キャラの外見
基本的なことですが、ここをしっかりやるだけで脱・初心者になれます。
それではキャラクターの内面と外見の作り方を解説していきます。
キャラクターの内面
内面をつくるには「このキャラクターはこの部分が優れている」というものを決めます。
プロットのときに考えたメッセージ性と関連づけて考えると簡単につくれます。
プロットの項目では「音楽(学園祭)」をテーマにしましたね。
そのテーマでのメッセージ性「バンド仲間との友情」を伝えるなら…
- なによりもバンド仲間を優先する優しさ
- バンド仲間以外の友達とはバンドを組まない頑固さ
- バンド仲間とつくる音楽が大好きでつねにそのことを考えている
こういったものをトコトン突きつめて表現していくと、魅力あるキャラクターになります。
キャラクターの内面については、下記の記事でも詳しく解説しています。
キャラクターの外見
キャラクターの外見は、そのキャラクターの内面にあうように決めていきます。
見た目と性格を一致させるってこと?
その通り!!
キャラクターが優しい性格なのに、つり目でパンクスタイルのファッションはおかしいですよね。
ギャップを狙うならアリですが、まずはオーソドックスにいきましょう。
キャラクターの違いがでるのは主にこの辺り。
- 目つき
- 髪型
- ファッション
- 持ち物
制服など同じものを着ているなら、その着こなし方にキャラクター性がでます。
ボタンとめる・とめない。シャツ出す・出さない。など。
そのキャラクターの内面を表すような外見を考えてキャラデザしていきます。
キャラクターデザインをするときの考え方は、下記の記事を参考にしてくださいね。
手順④ストーリーを作る
ここから本格的にストーリーをつくっていきます。
ストーリー初心者だけど大丈夫かな
大丈夫!ストーリーには型があるから、それに沿って作ればできるよ!
まず頭に入れておきたいストーリーの流れは以下です。
- キャラや作品の設定を見せる
- キャラ同士の対立・衝突or障害
- それを乗り越えて解決する
基本的な流れはこれでOK。
キャラや作品の設定を見せる
ストーリーの作り方でよくいわれる「起承転結」の「起」の部分ですね。
読者は初めてみる作品なので、誰が主人公なのか、どんな話なのかを知りません。
キャラ同士の対立・衝突or障害
キャラクターや設定を見せたら、ストーリーを展開していきます。
展開させていく軸としては、キャラ同士の対立や衝突。
もしくは障害となるできごとです。
それを乗り越えて解決する
キャラ同士の対立や衝突、なにかしらの障害があって、それを最終的に乗り越える。
ここがストーリーとしての着地地点です。
つまり漫画はまずキャラクターを読者に見せる。
そのうえでキャラクター同士を対立・衝突させる。
そして最後にそれを乗り越える。
これが基本です。
なるほど!分かった気がする!ねぇもっと詳しく教えてよ!
もちろん!でもストーリー制作は奥深いからねぇ
より詳しくストーリーの作り方を知りたい方は、下記の記事を参考にして下さいね。
手順⑤ネームを描く
具体的なストーリーがつくれたら、今度はそれをネームに起こしていきます。
ネームって?
原稿用紙に描く前の設計図みたいなものだよ!
コマを割って、絵とセリフを入れていきます。
ネームはプロでも悩む工程なので、なかなか難しいと思います。
気をつける点はいくつかありますが、初心者が最低限意識したいポイントは3つ。
- コマの大小を意識する
- 引きを意識する
- 構図を意識する
上記は1ページ単位、または見開き単位で考えて描いていきます。
コマの大小を意識する
まずはコマの大きさ。
大きいコマは、そのページの中で一番大事なシーンに割り当てます。
反対にそれほど重要ではないシーンはコマを小さくして、大事なシーンとのメリハリをつけます。
引きを意識する
引きは次のページが見たくなる「引っかかり」を残すテクニック。
次ページへの誘導なので、ページ1番最後のコマに「引き」を使います。
「誰かに呼び止められる」など小さな引きから、「犯人はお前だ!!」など物語の核心をつく大きな引きまで。
構図を意識する
漫画には状況を見せるためのコマ、キャラクターの表情を見せるためのコマなどがあります。
それを見せるために多様な構図を使います。
キャラの顔だけが映って会話している構図が続くのはNG。
読者を飽きさせない、狙った効果を引き出すために構図を使い分ける必要があります。
構図については下記の記事で詳しく解説しています。
ネームはいろんなことを考えて描くので大変な作業です。
なのでまずはどれか1つだけを意識して描いてみる。それに慣れたらもう1つ追加して描いてみる。
と、徐々にコマ割り、引き、構図の感覚を身につけてもらえればと思います。
漫画は映画や小説と違って、マンガ特有の表現方法があります。
初心者はそのマンガ表現を身につけることで、劇的に面白い見せ方ができるようになります。
そのマンガ表現は以下の本で学べるので、興味があればご覧ください。
手順⑥漫画原稿用紙に描く
ネームが完成できたら、漫画原稿用紙に描いていきます。
デジタルで描く方は下記を参考にして下さい。
ここからはアナログで原稿用紙に描いていく手順です。
作業工程の流れはこんな感じ。
- 下描きをする
- ペン入れをする
- 消しゴムで下描きを消す
- 効果線を入れる
- ベタ塗りをする
- はみ出したところなどを修正する
- トーンを貼る
- セリフを書く
上記の流れは1ページ単位ではなく、全ページ通してやると効率的です。
漫画原稿用紙は同人用とプロ用でサイズが違います。
- 同人用=B5サイズ
- プロ・投稿用=B4サイズ
原稿用紙にも使い方のルールがあります。
用紙の一番内側の線(内枠)は、絵やセリフなどなにを書いてもOKです。
反対にノド側(本を閉じる側)には絵やセリフは描きません。
これは製本されたときに見えづらくなるからです。
この「描いてもいい範囲」と「描いてはいけない範囲」さえしっかり覚えればOK。
原稿用紙の詳しい使い方は下記の記事にまとめています。参考にして下さい。
原稿用紙の全工程の詳しいやり方については下記の記事で解説しています。
以上で漫画の制作手順は終わりです。
次は完成した漫画をどうするかのお話をしていきます。
漫画を描いたあとは?
漫画を描いたら、誰かに見てもらいたいですよね。
プロを目指す方も同様、編集者に見てもらわなければデビューできません。
本記事では2つの方法を提示します。
出版社へ持ち込みに行く
プロを目指す方は雑誌の賞へ投稿、もしくは出版社へ持ち込みに行くやり方があります。
漫画の持ち込みは、作品のアドバイスを直接もらえるので、得るものが大きいです。
- 雑誌の編集部にTELする
- 持ち込みに行く日時を決める
- 当日、TELした担当者あてに伺う
- 作品を見てもらう
- アドバイスを受ける
- 終了
持ち込みの流れはこんな感じです。
自分だけのWeb漫画ブログを作る
今は個人で発信できる時代です。SNSやWebを活用しない手はありません。
InstagramやTwitterなどのSNSはアカウントがあればすぐに利用できますよね。
創作活動をしていくなら、ポートフォリオや名刺代わりになるWebサイトをもつのもおすすめです。
このブログもWebサイトだもんね
そう!作品だけじゃなく色んなことを発信できるのが強み!
web漫画ブログに興味ある方は、下記の記事でその作り方を解説しています。
漫画に必須!覚えておきたいテクニック
ここからは漫画を描く上で必須となるテクニックをまとめてご紹介します。
そのテクニックを詳しく知りたい方は、解説した記事へのリンクを貼っていますので、そちらからご覧ください。
漫画のコマ割りの基本とコツ
1つ1つの枠をコマといい、そのコマでストーリーを表現していくことをコマ割りといいます。
このコマ割りは漫画特有のテクニックで、どういう風にコマを割っていくかで、表現したいものや面白さが変わってきます。
コマ割りってなに?という人は、コマ割りの基礎を解説している記事があるので、ご覧になってくださいね。
漫画が面白くなる「引き」のテクニック
「引き」とは、読者にこのあとの展開が気になるように仕向けるテクニックです。
続きを早く読みたくて、ページをめくる。それが「引き」です。
「引き」は、基本的には左ページの最後のコマにもってきます。
本を見開いたとき最後にくるのが、左ページのコマですよね。
なのでページをめくらせるために、左ページの最後のコマに「引き」のテクニックを使います。
この最後のコマで
「この事件の犯人は…」
(誰だろう…ドキドキ)
「君が好きだ!告白の返事がほしい」
(結果はどうなの…)
など、読者に「続きを読みたい!」という気持ちをもたせる工夫をします。
漫画における構図の基本と使い方
どんなに面白いストーリーでも、構図が単調だと退屈してしまいます。
構図による変化で、画面に動きを出しましょう。
- アップ
- ミドル
- ロング
- アオリ
- フカン
なにを見せたいかで構図は変わってきます。
漫画に欠かせない効果線の描き方と種類
効果線はストーリーを盛り上げてくれる漫画の大切な要素です。
この効果線を描くことで、迫力や勢いを表現することができます。
また集中線のほかにもスピード線、キャラクターの心理状態を表現するフラッシュ系もあります。
効果線の描き方や使い方は下記記事を参考にして下さい。
漫画を演出する!描き文字を描くコツ
漫画にとって大切な描き文字。
「ガシャン!」「ドンッ!」「どきっ」などが描き文字ですね。
絵のジャマにならないように、そっとそのシーンを演出する役割があります。
はじめは難しく感じても、経験を積むことでだんだんと上手く描けるようになっていきますよ。
吹き出しの種類と効果を知る
キャラが話す吹き出しにも種類があり、効果があります。
シーンにあった吹き出しを選ぶことで、キャラの感情や心情が伝わりやすい漫画となります。
吹き出しの種類は基本的には以下の3つ。
- 声に出す系の吹き出し
- 心理描写系の吹き出し
- ナレーション系の吹き出し
さらに吹き出しを描くときの暗黙のルールみたいなものがあります。
これもおさえておきたいポイントです。詳しくは下記の記事をご覧ください。
セリフの書き方を知る
初心者の方は知らず知らずのうちにやってはいけないセリフの書き方をしてる場合があります。
漫画ではなるべく、絵で魅せること・セリフですべてを説明しないことです。
下記の記事では「してはいけないセリフ」と「面白くなるセリフ」の書き方を解説しています。
タイトルのつけ方に迷ったら…
タイトルに迷うことも当然ありますよね。
そんなときはいくつかのパターンに当てはめるのも手です。
タイトルを決める参考として、既存作品にならいましょう。
漫画の用語集
あなたは漫画の用語を知っていますか?
- ベタ
- タチキリ
- 決めゴマ
- 見開き
漫画を描いていくと、必ずでてくる用語がたくさんあります。
ん?これどんな意味?と思った用語があったら、下記の記事を参考にしてみてください。
以上、漫画で覚えておきたいテクニックでした。
各テクニックを強化するにあたって、おすすめの本を紹介している記事もあります。
ぜひ参考にしてくださいね。
漫画をデジタルで描くにはCLIP STUDIO PAINTがおすすめ
本格的に漫画を描くなら、アナログもいいけどデジタルもいいですよね。
修正も簡単で、何度でも書き直しができます。
WebやSNSで自分の作品をアップするのにデジタルは必須。
そこでおすすめなのは、「CLIP STUDIO PAINT」という絵を描くペイントソフトです。通称クリスタですね。
クリスタはプロアマ問わず、たくさんの人が愛用しています。
これで漫画デジタルデビューしちゃいましょう!
こんにちは、Gペンを買いましたー!(^^)/
おめでとうございます!
これでペンで絵が描けますね(^^)
はじめまして。
私はイラストのプロを目指して独学で学んでいます。
このページは、私にとって目から鱗が出る内容でした!とても有益な情報(プロの本質)をこのような形で公開してもらえて感謝の気持ちでいっぱいです。
また、このページの内容は、ブログや動画など、ビジネス戦略としても応用できると思いました。
読みやすく理解しやすかったです(^^)/
まずは「テーマを決める」から1つずつやっていきます。
※WEB漫画も作れそうな気がしてきました(笑)←調子にのりすぎかな。( ;∀;)
嬉しいコメントありがとうございます!!
参考になったようで良かったです(^^)
独学で学んでらっしゃるんですね!大変だと思いますが応援しています!
※WEB漫画、全然作れると思いますよ(笑)
とても勉強になりました!!!
ありがとうございます😊
私も絵を描くのが好きなので、将来は漫画家を目指しているのですが、描き方がよくわからなくって迷っていました。でもこのブログを見て、詳しい描き方だけでなく、ただ自分の好きなように描くだけじゃ駄目なんだってことも、学ぶことができました。本当にありがとうございます。
コメントありがとうございます!
お役に立ててうれしいです。
漫画は大変な事もありますが、楽しみながら描くのが一番いいと思います(^-^)
漫画家になる夢、応援しています!!!