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イラストをうまく描きたくて読み漁った本は、おそらく100冊以上。なかばイラスト本コレクターと化しています。
僕もそうですがイラストを描く人なら当然のように思う、絵が上手くなりたい。という気持ち。
絵が上手くなるために本でスキルを吸収する。それは誰もが通る道。しかしその本が得たい知識や、描き方が載っていないと意味がありません。
イラストの描き方の本も多岐にわたっていて、どの本を選べばいいのか迷うのも事実ですよね。
本記事ではあなたの目的や、イラストのレベル感にあわせたおすすめの参考書を紹介します。まずは目次を見て目的や、上手くなりたい絵の要素を選んでみてください。
クリックできる目次
イラスト参考書の選び方
イラストの参考書は、絵のレベル感や目的にあわせて選ぶと失敗しなくなります。
本項では以下の5つを基準に選び方を決め、その目的にあった本を紹介していきます。
基本的なイラストの描き方を知りたい
初心者の人は基本的なイラストの描き方を、最初に覚えるのがおすすめです。
本の内容でいえば、顔は〇描いて十字にアタリを描く。といったノウハウやコツが載っている本。
この手の本は、マンガで解説していたり、イラストや図解多めで解説していたり、イラスト初心者にとって分かりやすい内容のものが多いです。
人体構造などの難しい内容は極力はぶいているため挫折しにくく、取っつきやすいのも特長。
イラストをこれからはじめる、ラクガキ程度なら描いていた、みたいな初心者の人におすすめの選び方です。
人体構造を学んでイラストの基礎力をあげたい
あるていどイラストが描けるようになった人は、人体構造や動きを理解する段階にいくのがおすすめ。
デッサン系の本や、美術解剖学、骨格・筋肉のつき方が学べる本。またはイキイキとした動きの描き方を学べる本。
人体の比率の話や筋肉の説明があるため文字多め、イラストを描くというより人体の勉強をしている感覚に近く難しいです。
ですが、一度理解してしまえば理屈でイラストを描けるようになるため、絵柄が安定しない、同じ角度しか描けない、などの悩みを解決できます。
イラストに説得力もでるので、もうワンランク上に行きたい人におすすめの選び方です。
デジタルイラストの描き方を知りたい
クリップスタジオなどのペイントソフトを使って、デジタルイラストを描きたい人向けの選び方です。
デジタルイラストではレイヤーの合成モードやブラシを使って、厚塗りやブラシ塗り、水彩塗り、またはその掛け合わせなど、多種多様の描き方があります。
とくにレイヤーの合成モードは、デジタルイラスト系の本でしか情報が載っていません。
デジタルイラストの塗りを上達させたいなら、1冊は必ずもっておきたい本です。
一枚イラストの魅せ方を知りたい
神絵師のような一枚イラストを描きたい。今よりもっとよく魅せたい。そんなときにおすすめなのが「構図」を知ることです。
構図には画角におさまりのよい配置の仕方や、見せたいものに視線を誘導するテクニックなどがあります。
またアオリ・フカンなどでもユーザーに与える印象が変わることもあり、奥が深いものです。
キャラを上手く描くことは前提として、こうした構図の知識があるとより一層魅力的なイラストになります。
ユーザーを惹きつける魅力的なイラストを描きたい人におすすめ。
イラストのクオリティアップを目指したい
キャラのバランスや絵はあるていど取れて描ける。ここからさらにクオリティを上げたい人向けの選び方です。
体の比率や顔のパーツの配置がうまく取れるようになったら、今度は各パーツを集中的に練習してクオリティアップに繋げましょう。
そのために手に特化した本や、目に特化した本。パーツごとの描き方を学べる本がおすすめです。
1冊まるまるそのパーツについて書かれているため、一般的な描き方のほかにバリエーションを含んだ幅の広さと深さが学べます。
このパーツが苦手だな…と感じたらパーツ特化の本を手に取ってみてください。
初心者向けイラスト参考書のおすすめ7選
初心者におすすめの絵が上手くなるための本を6冊紹介します。
お絵かきチュートリアル
「お絵描きチュートリアル」はキャラの顔から身体、服のシワやポージングなど、人物を描くのに必要なイラストの描き方が総括的に載っています。
中でも秀逸なのは、難しい人体構造を簡略化してコツだけを教えてくれる点。
骨格や筋肉のつき方などを知ると、キャラを立体的に描けるようになり魅力的なイラストが描けます。
こういった人体構造を本格的に学ぶと難しく挫折しがち。しかし本書はあくまで入門書的な範囲で、理屈でイラストの描き方を学べます。
また、ややこしいシワの描き方などもイラストメインで解説されています。
全編を通して説明がちな文章は少なく、ほぼイラストや図解で解説しているため分かりやすいです。
難しい内容はイヤだけど手っ取り早く立体感を学びたい人におすすめ。
キャラクターの描き方:アナトミーベースのキャラクターデザイン
「キャラクターの描き方:アナトミーベースのキャラクターデザイン」は、人体構造に基づいたキャラの描き方と、ストーリー性を伝えるイラストの描き方が解説されています。
人体構造といっても難しい内容はなく、キャラを描くアウトラインに関係する箇所だけなので分かりやすいです。
上図はランドマークと呼ばれる、外見からでも確認できる骨の出っ張りです。ここを意識すると立体感やリアル感が出ます。
こういった基本的な構造のほかに、ポーズやジェスチャーに関するトピックもあるため、動きのあるイラストも描けるようになります。
またキャラクターデザインについても言及しており、ストーリー性のあるイラストの描き方は必見。
バックストーリーや、実在しているリアル感のあるイラストが描けるようになります。
この1冊でキャラの描き方、服のシワやキャラデザの方法など幅広く学べる内容となっています。
絵が上手くなりたい人、ストーリー性をイラストでも伝えたい人におすすめです。
ややこしくない絵の描き方
「ややこしくない絵の描き方」は、上手く見えるバランスの取れたイラストの描き方を学べます。
本書の優れた点は、人体のややこしい構造は抜きにして「これはこうやって描けば上手く見えるよ」と教えてくれる点。
下図はキャラの表情の描き方。
キャラのポージングもそうですが、見せ方などの演出面も載っています。
キャラの顔の描き方から身体のパーツまでしっかり載っています。初心者の人はこれ1冊あるだけで、イラストがかなり上達するのでおすすめ。
ヒロマサのお絵描き講座
「ヒロマサのお絵描き講座」は、全編マンガで解説しているイラストの参考書です。
シリーズは3つ、顔・体・手にわかれており、3冊でキャラの全身が描けるようになります。
内容はイラストが描けない女の子に著者が教えるストーリーになっており、読者は女の子に感情移入して読み進められます。
イラストが全く描けない超初心者向け。それゆえ分かりやすく丁寧に描かれています。
マンガパートの間にある解説パートでも、図解・イラスト多め。視覚的に理解できる点もやさしいです。
骨や筋肉のつき方など人体構造を深く理解していなくても、絵が描けるようになるコツがたくさんつまっています。
絵の基礎を一から学びたい人におすすめ。
体の描き方編
手の描き方編
ガールズ・ドローイング入門
「ガールズ・ドローイング入門」は、人体構造からアプローチしたイラストの描き方が学べる本です。
立体的なイラストを描くための最低限の人体構造。ここをメインを触れており、単純なノウハウや描き方のコツにとどまらないのが特長です。
図解イラストのクセはほんの少し強めですが、入門としてこうした人体構造を知っておくと、のちのちさらに画力をあげるために役立ちます。
内容は顔や体のパーツの描き方、服のシワのでき方やポージングまでこれ1冊で総括できます。
ただしガールズ・ドローイングなので、男性の骨格や男女の違いについての解説はありません。
デフォルメを効かしたアニメ調より、リアルよりの人間味を感じるイラストを描きたいにおすすめです。
はじめてのジェスチャードローイング着衣とビッグシェイプ
「はじめてのジェスチャードローイング着衣とビッグシェイプ」は身体の流れを線で捉え、素体を簡略化するといった、より伝わりやすいように描く技法が載っています。
難しい人体解剖学などの話は一切なく、対象物や資料を見て受けた印象を、誇張したり改変したりして絵に落とし込んでいきます。
そのため初心者でも取っつきやすく挫折しにくいのが特徴。
下図はより印象に近い線を探る解説。
反らせるか、丸まらせるかでも印象が違って見えます。
続いて下図では服をビッグシェイプ、つまり大きなかたまりとして捉えて描く方法が載っています。
美術解剖学やデッサンが難しいと感じる人は、本書で解説している“らしく見える絵の描き方”を実践してみるのもおすすめです。
TACO直伝!知っているだけで劇的に上達する人体ドローイングのコツ390
「TACO直伝!知っているだけで劇的に上達する人体ドローイングのコツ390」は、人体を描くための重要なポイントだけをまとめた1冊です。
400ページ以上もあり、人体の頭からつま先まで描くためのコツが凝縮。わかりやすい図解と、模写しやすい絵柄で画力がメキメキ上達します。
下図は目の描き方のコツについて。
目は顔のくぼんだ位置にあり、それを意識できると堀りの深さや、立体感を表現できる。目を閉じるときは下まぶたの位置に合わせる、など。
頭部の描き方や顔のパーツごとに描かれています。
続いて下図は、上腕の筋肉と腕の稼働領域について。
腕は肩を中心に円を描くように動きます。これを知っているだけでも、変な方向に腕を描かなくてすみます。
こういった人体を描くコツが390。男女差で身体つきが違う部分も描かれているので安心です。
上手く描くコツを知りたい、模写して絵が上手くなりたい、そんな初心者の人におすすめです。
中級者向けイラスト参考書のおすすめ6選
ある程度イラストも描けるようになった。キャラのバランスもとれる、一通り描けるようになったがもうワンランク上のステージへ行きたい。そんな人が対象の本です。
マイケルハンプトンの人体の描き方
「マイケルハンプトンの人体の描き方」は、人体構造をもとにイラストの描き方を教えてくれる本です。
イラストを描くときに大切な、骨格がどうなっているかを簡単なボックスに当てはめ、その描き方を学べます。
また筋肉のつき方も図解されており、リアルで説得力のあるイラストを描くのを手助けしてくれます。
本書の最大の特長は人体を描くための練習方法、捉え方、描き方が載っている点。
絵描きの登竜門ともいえるバイブル「ルーミスのやさしい人物画」よりも、図解イラストの絵柄が新しく分かりやすいです。
初心者は脱したが、今一歩イラストがうまく描けない、クオリティがアップしない人にこそおすすめ。この手の本をたくさん見てきて一番衝撃があった本、買って後悔しない本ナンバー1です。
人体の描き方マスターガイド
人体の描き方マスターガイドは、人体の構造原理知っておくべき知識や描き方練習方法が学べる本です。
パースに人物を合わせた描き方や、関節の大きさや動きについても書かれている点が、他書と違うところ。
もちろんデッサンの基本となる人体構造もしっかり書かれています。
この構造は頭部、胴体、腰、手足などすべてに対して記載があります。
また本書の特徴として、要所要所でその練習法が載ってます。本の終盤では「なにも見ずにブロック人間を描く」チャプターがあり、学んだことを活かして練習すれば、このレベル感にまで到達できる内容となっています。
サブタイトルに”基礎から学ぶキャラクターデッサン”とあるように、男女、体格の違いによるキャラクターの描き方、構図を取るときに必須となるパースに合わせたキャラの描き方など、イラストや漫画で活用できる最適な本です。
キム・ラッキの人体ドローイング
「キム・ラッキの人体ドローイング」は人体を図形化して描く方法と、人体解剖学を組み合わせたハイブリッドな描き方を学べる本です。
下図は顔を図形化して分割した例。
目や鼻などのパーツがどの位置にくるのか、把握しやすくなります。
また図形をさらに分割することで、光の当たり加減も把握でき、影を塗るときにも役立ちます。
続いて下図は人体解剖学について書かれている内容です。
筋肉の付き方や動き方から、役割まで解説されているため、人体の理解が進みます。
これを知っておくだけでも、動きやポーズに違和感がない絵が描けるようになります。
396ページという大ボリュームですが、1冊まるまる習得すれば確実に画力が上がる本。
あるていど絵を描けるけど、いまいち画力が上がらなくて悩んでる人におすすめです。
モルフォ人体デッサン
「モルフォ人体デッサン」は形態学からアプローチした、人物イラストの描き方を学べる本です。
本の内容は、骨格に筋肉がどうついているのかの図解イラストがメイン。
イラストの描き方自体には触れておらず、ひたすら筋肉のつき方を顔から足まで解説しています。
筋肉がどうついているのかを知るのは、絵の上手さと直結する重要な部分。手っ取り早く筋肉のつき方を知りたい人におすすめです。
スカルプターのための美術解剖学
「スカルプターのための美術解剖学」は人体の骨格・筋肉・動かし方、すべてを学べる本です。
図解は実際の人間を基本とした写真、3D、イラストなどカラーでとことんわかりやすく解説しています。
構造の解説も男性と女性でわかれており、イラストで男女の描き分けの際にも応用できます。
文章ではなく図解メインのため視覚的に理解しやすく、不思議と難しさを感じません。
リアルで立体感のあるイラストを描くために、本格的に人体構造を学びたい人におすすめです。
リズムとフォース躍動感あるドローイングの描き方
「リズムとフォース躍動感あるドローイングの描き方」は、生きた動きのある描き方を教えてくれる本です。
イラストで躍動感を出すには、人体の流れをどう捉えるかが重要。その捉え方を図解イラストで解説しています。
また躍動感を出すには人体の流れのほかに、奥行き感も大事。本書ではその奥行き感を、サイズやフォームといった形で説明されています。
リズムとフォースは人体の捉え方や描き方で、1本のシンプルな線でも動きを出すことができます。
動きがある動的なイラストや、動きが硬いイラストしか描けない人におすすめ。
デジタルイラストでおすすめの本5選
デジタルイラストを描くときに参考になる本を、さまざまな角度から紹介していきます。
あなたの目的にあわせて選んでください。
色塗りチュートリアル
「色塗りチュートリアル」は光や影ができる仕組み、塗りの基礎を教えてくれる本です。
デジタルイラスト系の本は塗り方に終始しているものがほとんどですが、本書では影ができる仕組みや色の見え方についても解説しています。
色がどういう風に見えるのか、という理屈で捉えた内容は、他の本ではほぼ触れられていない部分でありながら、塗りをするには非常に重要な部分です。
これを知っているだけで上達度はかなり違ってきます。
また素材ごとの塗り方も載っていて、どのイラストにも応用できる汎用性があります。
他本でよくある塗りのメイキングは最後に少し載っているていど。そのほとんどは影のつけ方、色の見え方、立体感の出し方、とデジタルイラストの基礎がガッツリです。
影のつけ方がわからない、色の見え方、使い方がわからない人におすすめ。まずは本書で色の基礎を固めてから、塗り方系の本にいくのが最適です。
同シリーズの下記もセットで持っておくのがおすすめ。
イラスト<光と色彩>解体新書
「イラスト<光と色彩>解体新書」は、色の基礎知識について学べる本です。
塗り方のメイキングなどは一切なく、どのツールでどんなふうに塗っていくかのような解説もありません。
ただ本書の最後の方の章で、クオリティアップにつながる仕上げの加工方法が載っているため、いろんなイラストに応用が効きます。
配色の決め方や色が与える印象の違い、影のつけ方など塗るときに迷いがちな点に重きを置いた本です。
色に対する理解を深めたい人におすすめです。ちなみにAmazonの書籍(Kindleではない)では動画がついてきます。
プロの絵師の技を完全マスター キャラ塗り上達術決定版
「プロの絵師の技を完全マスター キャラ塗り上達術決定版」は、ブラシ塗りや厚塗り、水彩塗りなど多種多様な塗り表現を学べる本です。
本書では10人のプロ絵師の作画テクニックが学べる点が特長。プロ絵師ごとに塗り方の表現も違うため、自分の好みにあった塗り方が見つかります。
塗りのメイキングも手順やレイヤー構成から、パーツの塗りや仕上げまでを網羅。
解説も丁寧でどのブラシを使うかや、カラーをRGBできちんと指定してくれている点がわかりやすいです。
1つの塗り方に特化した本ではありませんが、いろんな塗りの技術を知れるので、自分の好きな表現だけを吸収して活かすことができます。
デジタルイラストの「エフェクト」描き方事典
『デジタルイラストの「エフェクト」描き方事典』は炎や雷などの自然物の描き方や、演出としての魅せ方を学べる本です。
1枚イラストの場合、キャラ以外にもシチュエーションやアクセントで、自然物を描くことがあるかと思います。
そのときに何となく描くのではなく、しっかりとした表現方法を知っていた方がクオリティの高いイラストが描けます。
またキャラを際立たせる演出なども載っており、単なるエフェクトの域を超えているのも特長。
キャラを活かす演出を知って、イラストのクオリティアップを目指したい人におすすめです。
CLIP STUDIO PAINTの「良ワザ」事典
『CLIP STUDIO PAINTの「良ワザ」事典』はペイントソフト、クリップスタジオの機能を解説した本です。
ユーザーの「こんな機能があれば…」や「これを知っておくと作業が楽」など、効率よくイラストを描くためのノウハウがつまっています。
またイラストを描くときに使える小技も載っていて、非常に便利。
クリップスタジオでイラストを描くなら、1冊あるだけで作業が楽になったり、使いこなす手助けをしてくれたりします。
クリスタのアップデートにあわせて、本の内容もアップデートされているので情報が古くなりません。
構図が学べるおすすめのイラスト本5選
一枚イラストや漫画を描くときに、忘れちゃいけないのが構図。
どんなにキャラを上手く描いても、構図がいまいちだと魅力的なイラストになりません。
本項では構図が学べるおすすめの本を5つ紹介します。
イラスト、漫画のための構図の描画教室
「イラスト、漫画のための構図の描画教室」は、構図の種類とその効果を学べる本です。
構図にはジグザグ構図や日の丸構図などたくさん種類があり、与える印象もそれぞれ違います。
本書は構図の種類だけでなく、その構図がどんなときに使うとより効果的なのかも教えてくれます。
また実際にイラストを描くときに必要な基礎知識、奥行き(パース)の解説も簡単にですが載っています。
今まで構図を意識しなかった人が手に取ると、イラストのクオリティがグンっとアップするおすすめの1冊です。
イラスト構図 完全マスター
「イラスト構図 完全マスター」は、構図の種類とその描き方を学べる本です。
構図の描き方を理屈として理解できれば「こう描けば、こう捉えられる」がわかりようになり、構図を使いこなせるようになります。
構図の配置の仕方も載っているため実用的。
構図を使いこなす道しるべのような本です。構図の種類はなんとなく知っているがイマイチ使いこなせない人におすすめ。
Vision-ヴィジョン-
「Vision-ヴィジョン-」は構図を含めた画作りに特化した本です。
本書はラインや形、色、光、カメラアングルなどについて書かれており、それがどういう要素で構成されているか、どう魅せるとどんな効果があるのかを解説されています。
とくに見せたいものに視線を誘導するテクニックや、キャラクターの配置による印象付けなどは秀逸。
また構図の基礎となる考え方や、与える効果などについても解説しています。
本書を読めば構図はただカメラアングルだけではなく、対象のサイズ感や配置、明度などのライティングがいかに大事かを教えられます。
一般的な構図やイラスト本には書かれていない貴重な情報が載っています。美術系の学校の教科書にするべき良書。
イラストレーター、漫画家に限らずクリエイティブに関わるすべての人におすすめ。
イラスト映えBook
「イラスト映えBook」は、魅力的なイラストに見せる技を学べる本です。
構図とは少し違いますが、見せ方の工夫で惹きのあるイラストに仕立てる技が、65個載っています。
1つを深く解説するというよりは、たくさんの技をつめこんだ事典のような感じ。どんなイラストを描くか迷ったときに見るのもおすすめ。
見本絵は雑誌の挿絵のようなイラストですが、内容はどのイラストにも応用可能なものばかりです。
構図は少し難しい、もっと簡単に映えるイラストが描きたい人におすすめ。
漫画バイブル2 構図破り編
「漫画バイブル2 構図破り編」は、テーマやコンセプトに沿った構図の作り方を学べる本です。
本のタイトルにもある通り、漫画の扉絵やコマ割りでも使える内容になっています。もちろんイラストでも応用可能。
本書の構図は他書と違い、三角構図など構図の種類からイラストを提案するのではなく、まず描きたい要素があってそれを活かすためにこんな構図がいいよ、という解説があること。
例えば2人のキャラを描きたいときは、〇〇や△△の構図が使えると一覧で示してくれています。
またファンタジーやヒーローものなど、イラストの舞台や世界観を活かす構図の作り方も教えてくれます。
テーマやコンセプト込みで構図を使いたい人におすすめ。
パーツに特化したおすすめのイラスト本
初心者用のイラスト参考書で一通り学習したあとは、パーツ特化の本でさらに絵の理解を深めることもおすすめ。
パーツ特化とは「髪」や「目」、「手」などを1冊まるまる使って解説している本のこと。
1冊で全体を解説している本より、パーツの構造や描き方のバリエーションなど深いところまで知れます。
顔の描き方・パーツ
顔の描き方に特化した本を紹介します。
顔は髪や目、表情など、さらに細分化できる奥深い部分です。あなたが特に力を入れたいパーツにあわせて本を選んでくださいね。
人を描くのって楽しいね!顔・頭編
「人を描くのって楽しいね!顔・頭編」は、顔に焦点を絞って描き方を教えてくれる本です。
顔を構成する目・鼻・口、髪の描き方に特化しています。とくに面白いのが、本書特有の立体感のある輪郭を描く方法です。
この方法を使えば顔の立体感を把握するのに便利で、イラストを描くときこの考え方に何度も助けられます。
また眉毛をどうのように描くのか、といった他書ではあまり取り扱っていない部分に触れられているのも嬉しい特長。
構造的な部分の解説もあり、どの角度からでも描けるようにアシストもしてくれます。
ちなみに表情についての解説はありません。しかし独特だけどわかりやすいその描き方は、いろんな本を見てきた人にも学びはある内容になっています。
顔の輪郭がうまく描けない、立体感が出ない人にはとくにおすすめ。
表情-顔の微妙な表情を描く
「表情-顔の微妙な表情を描く」は、表情の描き方に特化した本です。
表情を作る筋肉がどういう風に動くと、どんな感情に見えるのか、を丁寧に解説してます。
眉や目、唇、あご、頬などについている筋肉のつき方から動き方まで知れるため、微妙なニュアンスの表情を描き分けることができます。
巻末には「喜び」や「嫌悪」などたくさんある表情の一覧と、それぞれの筋肉の動き方が解説されています。
キャラにこの表情をさせたい!けどうまく描けない、そんなときに使うと非常に便利です。
表現を極める!目の描き方
「表現を極める!目の描き方」は、目の構造から表情、塗りのテクニックまで総括的に学べる本です。
目を描き分けるバリエーションにとんだ描き方。目を中心とした表情の描き分けは、キャラクターを描くうえで役立ってくれます。
また本書の後半は塗りのメイキングになっていて、絵師数名の塗り方を知ることができます。
目はキャライラストの印象を決める重要な部分。目が上手く描けない、もっと上手く描きたい人におすすめ。
Paryiが全力で教える「髪」の描き方 ヘアスタイルにこだわる作画流儀
『「髪」の描き方 ヘアスタイルにこだわる作画流儀』は、髪の描き方からデザイン、演出まですべて学べる本です。
他書でもあるような基本的な髪の描き方に加え、毛束や毛先の捉え方、立体感や重量感、といった細部の部分まで解説し、その使いどころを提案してくれています。
また髪の演出方法も載っており、柔らかい髪が描きたい、細かな毛先の髪が描きたい、といったニーズにも応えています。
本書を読んだ印象は、細かい毛束や柔らかさを描くために必要な技術が詰まった1冊、といった感じ。
本書でしか得られない髪の描き方があるので、毛先の細かな部分にまでこだわって描きたい人におすすめです。
身体・ポーズの描き方
キャラの身体やポーズの描き方で参考になる本を紹介します。
表紙 | タイトル | 特長 | ページ数 | 出版社 | 著者 |
---|---|---|---|---|---|
ポージング チュートリアル |
身体の構造から動きや流れなど ポーズを作るときの基礎を学べる |
224ページ | マール社 | パク・リノ |
ポージング・チュートリアル
「ポージング・チュートリアル」は身体の構造から動きや流れなど、ポーズを作るときの基礎を学べる本です。
キャラにポーズを取らせるときに大切なのは、体の流れ。これを意識しないのとするのとでは大きく違ってきます。
このポーズを表現する方法はいくつか載っていて、躍動的なものやデザイン的なもの、ディテールにこだわったものなど多岐にわたります。
また最後の章ではパースについても書かれていて、パースを活かしたポージングについても知ることができます。
ポーズのつけ方もそうですが、イキイキとしたキャラの描き方にもなっているのが絶妙です。
描くイラストに動きやイキイキとした雰囲気を出したい人におすすめ。
手の描き方
手の描き方で参考になる本を紹介します。
表紙 | タイトル | 特長 | ページ数 | 出版社 | 著者 |
---|---|---|---|---|---|
加々美高浩が全力で教える 「手」の描き方 |
基礎から演出、ポーズ 描き分けのコツなど総括的に学べる |
144ページ | SBクリエイティブ | 加々美 高浩 |
本記事では抜粋して1冊を紹介しますが、下記の記事では手の描き方の本をまとめて紹介しています。
加々美高浩が全力で教える「手」の描き方
『加々美高浩が全力で教える「手」の描き方』は、描き方の基礎から演出、ポーズ、描き分けのコツなど総括的に学べる本です。
手を描くときに基本となる比率や長さ、手を動かしたときの見え方などイラストで解説しているのでわかりやすいです。
手は年齢がでるところでもあるため、年齢別や男女の手の違いについても解説しています。
また手の演出についても載っていて、今までなんとなくでしか描いてこなかった手に演技をつけることが可能に。
最後の章では手のポーズがたくさん載っているので、描きたいイラストにあわせて選ぶことで、参考資料としても使えます。
手を描くのが苦手な人、ポーズをつけるときの手の演技の仕方がわからない人におすすめ。
服・シワの描き方
服のシワの描き方でおすすめの本を紹介します。
表紙 | タイトル | 特長 | ページ数 | 出版社 | 著者 |
---|---|---|---|---|---|
動きとシワがよくわかる 衣服の描き方図鑑 |
服のシワができる仕組みや その描き方が学べる |
159ページ | ホビージャパン | らびまる |
動きとシワがよくわかる衣服の描き方図鑑
「動きとシワがよくわかる衣服の描き方図鑑」は、服のシワができる仕組みやその描き方が学べる本です。
シワの描き方も衣服の仕組みから教えてくれるので、理解しやすい構成になっています。
またシワの流れや衣服の形に応じたシワのでき方は、いろんな服を描くときに応用ができます。
服のシワがどこにできるのかわからない、どうやって描くのかわからない人におすすめ。
イラストの参考書についてよくある質問
絵が上手くなるのに練習は欠かせません。本項では上手く絵を描くために、初心者からよくされる質問についてまとめました。
イラストの書き方の本で子供向けはある?
子供向けのイラスト参考書はマンガ形式で、初心者にもわかりやすい内容の本がおすすめです。
こういった絵が上手くなるための本は、理解でき実践できるかどうかが大事。
本のタイトルに「初心者」や「マンガで分かる」など理解しやすい内容の本を選ぶのが最適です。
下記の記事で紹介している本の中に、小・中学生でも絵が上手くなるおすすめの本を紹介しています。参考にしてください。
大人も子供も!初心者の絵が上手くなるおすすめの本8選!独学でイラストが描けるようになる本はどれ?
独学でイラストを学ぶなら、まずは基本的な絵の描き方が載っている本がおすすめ。
絵を描く基本が身についたら、人体構造を知ったりデッサンで立体的に描ける本にいきましょう。
そのあとはあなたの課題感、これをもっと上手く描きたいや、この部分が苦手、といった箇所を専門的に取り扱った本で学ぶのも最適です。
本記事では初心者から中級者、またパーツ特化やクオリティアップにつながる、イラストの描き方の本を複数紹介しています。ぜひご活用ください。
イラストの描き方で参考にすべきおすすめの本まとめ
イラストの描き方で参考になるおすすめの本を、目的別に分類し紹介しました。
本はスキルを学ぶために活躍してくれますが、得たい描き方を教えてくれるものでなくては役に立ちません。
まずはあなたの「これが苦手!」や「ここをもっと上手く描きたい」など目的にあわせて、ぜひご活用ください。
顔の描き方でおすすめの本8選!表情や目、髪型に特化した本も紹介 大人も子供も!初心者の絵が上手くなるおすすめの本8選! デッサンでおすすめの本12選!人体・イラスト・ヌードなど目的別に紹介 【厳選】デジタルイラストの塗りでおすすめの本16選 人体ドローイング・ジェスチャードローイングにおすすめの本10選 完全マスター!クリスタを使いこなすおすすめの本7選 手の描き方でおすすめの本7選!初心者・手の構造・ポーズ集など用途にあわせて紹介 衣服とシワの描き方でおすすめの本9選+1シリーズ!服装の攻略に役立つ参考書まとめ 【感情表現】表情の描き方でおすすめの本10選!顔の演技を極めろ お絵描きチュートリアルをレビュー!キャラ作画の基本は手ぐせや感覚だけで描いてきた人におすすめ ヒロマサのお絵描き講座<顔の描き方編>をレビュー!マンガでわかるキャラ作画の基本 ガールズ・ドローイング入門をレビュー!魅力的な女の子を描くための本 キム・ラッキの人体ドローイングをレビュー!初心者には難しいが図形化と解剖学のハイブリッドで画力は確実に上がる マイケルハンプトンの人体の描き方をレビュー!躍動感をとらえるアナトミーとデザインは絵描きの登竜門的な本 リズムとフォースをレビュー!躍動感あるドローイングの描き方で人物の流れがつかめる Vision-ヴィジョン-ストーリーを伝える色・光・構図をレビュー!すべてのクリエイター必読本 モルフォ人体デッサンをレビュー!初心者でも本格的に学びやすい図解本 スカルプターのための美術解剖学をレビュー!図解で理解する人体構造を学ぶのに最適な1冊 【レビュー】プロ絵師の技を完全マスターキャラ塗り上達術!様々な塗りの技術を学べる良書 【レビュー】デジタルイラストのエフェクト描き方事典は絵のクオリティが上がるテクニック満載 【レビュー】CLIP STUDIO PAINTの良ワザ事典は表現の幅と作業効率が格段にアップする ポージング・チュートリアルをレビュー!魅力的なポーズ作りの基本やデザインについても学べる