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【レビュー】光と色のチュートリアル!デジタル塗りの極意は神絵師への第一歩

光と色のチュートリアルのレビュー

色塗りがうまくいかない、イメージした雰囲気にならない。

もっとキャラをきらびやかに見せたい。塗りの情報量をあげて、クオリティ高いイラストにしたい。でもやり方がわからない。

そんな悩みを解決してくれるのが「光と色のチュートリアル -デジタル塗りの極意-」です。

光と色のチュートリアルの表紙

デジタルイラストは塗りの上手さがそのままクオリティに繋がります。しかし塗りといっても奥が深く、配色や描画モード、使うブラシだけでは語れません。

そもそもの色の知識、そして色を認識させる光についての知識が必要です。

本書はそういった色と光の仕組みから、それを塗りに活かす方法まで解説されている、まるで教科書のようなおすすめのイラスト本

他書とは一線を画す、彩色に必要な知識が詰め込まれたデジタルイラスト本です。

ちなみに同シリーズの「色塗りチュートリアル」もあると、より理解が深まります。

というわけで本記事では光と色のチュートリアルの内容を紹介していきます。

本書で学べる内容
  • 光と色の仕組みと基礎知識
  • 光の種類や色に影響を与える範囲
  • ライティング
  • 色を構成する要素
  • 彩色の種類と特長
  • 彩色の手順と練習法
MEMO
本記事はマール社様に確認のうえ、Web公開の規約に従って作成しています。
この記事の著者
和々寺らおん

漫画家

和々寺らおん

raon wawaji

プロフィール

SNSやWEBで活動する漫画家。
当サイトでは、長年にわたり身につけた漫画の知識や経験、スキルを基に発信しています。またペンタブや参考書など、漫画・イラストを描く人のために詳細なレビューもしています。プロフィール詳細

光と色のチュートリアルの内容

光と色のチュートリアルの目次
引用「光と色のチュートリアル」4~5P

光と色のチュートリアルの内容を、本書の目次に沿って紹介していきます。目次は以下のとおり。

はじめに

わずか数ページのパートです。内容は光と色の解釈について。

本書の言葉で「光は文法、色は言葉」とあり、思い通りの色を塗るために光の理解が必要と説いています。

同じ空でも晴天のときの真っ青や、夕暮れのオレンジ、曇りのグレーなど、多様な色に変化します。それはすべて太陽という光の加減が異なるため。

こうした彩色に必要な概念や理論を、本書では解説していきます。

光と色とは?

光と色の仕組みをやや駆け足ではありますが、大事な部分を要約して解説しています。

そもそも光とは何なのか?光を色と認識するのはどんな仕組み?など。

下図はリンゴが赤く見える仕組みや、色の三原色・三種の属性について書かれているページ。

色の三原色と3つの属性
引用「光と色のチュートリアル」18~19P

可視光線と呼ばれる光を感じる波長は、虹色のように色がたくさんありますが、リンゴは青や緑を吸収し赤を反射します。

そのため反射された赤が目に入り、リンゴを赤色と認識しています。

また、三原色と3つの属性については、色の知識として必ず覚えておきたい内容です。

光のパートは3つのチャプターにわかれています。

  1. 光と色の基礎知識
  2. 照度
  3. 主光源と間接光、陰影

光と色の基礎知識では光が色に及ぼす影響や、物体の色の変化について書かれています。

下図の左ページは、光による物体の色の変化の解説。

光による物体の色の変化
引用「光と色のチュートリアル」34~35P

白のセーラ服が光の影響を受けて、赤や緑に染まる様子が見てとれます。

その他にも光の照度や陰影など、塗る色に影響する基礎知識が書かれています。

下図は環境ごとの光と色の光について。

環境ごとの光と色の比較
引用「光と色のチュートリアル」64~65P

色は自然光や室内照明でも変わることの比較です。(上図:左ページ)。

また右ページはムード照明とネオンサインの比較。どの色の波長が強く、色に影響しているのかが解説してあります。

その他にも時間や天気による光の変化なども解説。こういった知識があると、デジタルイラストを描くときにリアリティあるものが描けるようになりますね。

知識ゼロからだと理解するのに時間がかかるかもしれませんが、ぜひ覚えておきたい内容です。

ライティング

ライティングはいろんな光で色を演出できるもの。このパートではその照射方法や、ライティングの種類(ハイライトや反射光など)について書かれています。

下図は代表的な光の当て方。左ページは正面から。右ページはサイドからの照射です。

光の当て方
引用「光と色のチュートリアル」78~79P

正面からの光は立体感が出づらく、サイドからの光は明暗の境界線がはっきり出て立体感がでます。

そのほかにも斜め上からの光や、逆光についても解説されています。

材質

このパートでは物体の材質によって、光の反射が変わる内容が書かれています。例えば金属性はすべての光を反射するため、光源の光をそのまま映し出します。

下図はその金属性についての内容。

材質による光の当たり方
引用「光と色のチュートリアル」94~95P

金属の性質や鏡面ハイライト、その表現としてレイヤーの描画モードを使う、などなど。

とくに役立ちそうなのはレザー系や革の衣装の着色をするとき。反射の解説とともにどういった塗りがポイントかも解説されています。

金属性の塗りや衣服のハイライトに迷っている人は必見です。

現象

現象のパートでは虹やオーロラから、宝石の華やかな色まで、光が織りなす現象について書かれています。

下図は現象と光輝の解説。

光学現象
引用「光と色のチュートリアル」100~101P

光と材質の相互作用によって、多様な光学現象が生まれます。単純な色だけにとらわれず、そこに光という作用があることを忘れてはいけません。

虹が見える仕組みや、光が入射する角度と反射する角度によって、見え方が変わる現象「フレネル効果」についても解説されています。

フレネル効果は水面や、鏡、雑貨などの鏡面反射する物体を描くときに役立ちます。

色の基礎知識について書かれているパートです。

「色」とひとえにいっても、いくつもの要素が含まれています。

  • 色相
  • 彩度
  • 明度
  • バリュー

色相は「青」や「赤」などの色のこと。色相環をイメージするとわかりやすいです。

この色相にも赤系の暖色や、青系の寒色があり、能動的や静けさなどの色から受けるイメージも異なります。

また色相環で隣接する色は調和し、正反対の色は補色といいお互いの色を際立たせる効果があります。

下図は暖色と寒色で受けるイメージの違い(左ページ上)や、隣接色調和(右ページ上)などの使用例です。

色の使い分け
引用「光と色のチュートリアル」116~117P

色相以外にも彩度があり、これは色の鮮やかさです。彩度対比や彩度調整など、うまく使いこなす解説がされています。

明度やバリューについても同じ、理解しておくと狙いどおりの配色ができるようになります。

彩色

ここからは彩色(色塗り)するときのテクニックについて解説されていきます。

解説されている、彩色技法の種類と特長は以下。

彩色技法の種類

  • 透明:透明水彩
  • 不透明:アクリル・油彩
  • 半透明:ガッシュ
  • セル画式
  • 水彩式
  • グレージング

上記のセル画式以降はデジタルの代表的な彩色技法ですが、手順や塗り方、レイヤーの描画モードなど、知りたい情報がしっかり載っています。

下図はグレージングでの塗り。まずはグレーで明暗をつけて塗り、その上に単色で塗ったレイヤーをオーバーレイで合成させる工程。

グレージング
引用「光と色のチュートリアル」158~159P

オーバーレイで合成させたあと、ツールを使って色の調整や、ブラシで塗り足したりして完成までもっていきます。

続いて下図はレンダリングの基礎。

彩色
引用「光と色のチュートリアル」168~169P

レンダリングとは、設定したライティングに応じた色が現れるようにすること。

つまり表現したい色や効果がでるように、描画モードやレイヤーの順番を調整する工程です。

レイヤーの順番によって、画面での表示のされ方が変わります。適切な描画モードをかけているのに、効果が現れないときはレンダリングが必要。ここのテクニックも必須ですね。

メイキング

メイキングパートのチャプターは3つ。

  1. キャラクター彩色:基本
  2. キャラクター彩色:光と材質
  3. 背景付きのイラスト

キャラクター彩色の基本では、着色していくときの工程や使うブラシや描画モード。ハイライトの入れ方などの解説。

光と材質のチャプターでは、キャラの鎧を例に材質による着色の仕方。

そして下図の背景付きのイラストのチャプターでは、背景とキャラを調和させる着色の工程が解説されています。

着色メイキング
引用「光と色のチュートリアル」194~195P

光と影を意識しながら、環境光やフレネル効果といった現象など、これまでの内容を活かして仕上げていきます。

また、手順として近いものから遠いもの。大きいものから小さいもの、など効率的な着色手順なんかも解説してあります。

以上が光と色のチュートリアルの内容です。

学校で使う教科書みたいな内容で、一度読んだだけでは覚えられないくらい濃いです。ですがここを理解すると彩色に困らなくなります。

もっとデジタルイラストを極めたいなら必読の内容です。

光と色のチュートリアルのレビュー

光と色のチュートリアルの裏表紙

サブタイトルに「極意」いうだけあって、ここをこう塗ればうまくなるよ。といった内容ではなく、色が見える仕組みや、色に影響を与える光の本質が書いてありました。

ここを理解すると、なぜその色で塗るのか。なぜその明度や陰影になるのか。などが本質的にわかるように。

つまり頭のイメージの具現化や、シチュエーションごとに狙った効果を、意図的に出せるようになります。

そして本書から得た気づきは、色を選択するためには光が重要だということ。

同じ色でも光の強さや、光の種類(太陽光やネオン、火など)が違えば、見え方が変わります。もちろん影をつける場所もその濃淡も変わります。

色の意識ばかりに目がいきがちですが、実は光のほうが大事。光を理解してこそクオリティの高い彩色ができる。そのことを教えられた本でした。

他のデジタルイラスト本ではそこまで解説されない光の話。その話を聞けるだけで、本書を手に取る理由には十分な気がしました。

光と色のチュートリアルはこんな人におすすめ

光と色のチュートリアルは、陰影と色彩を操るための知識が学べます。

そんな本書をおすすめするのはこんな人です。

おすすめの人
  • 色塗りがうまくいかない
  • 金属やレザーなど光の反射が描けない
  • 材質による塗りわけがしたい
  • 光と色の基礎知識を知っておきたい

内容的には少し難しいと感じる箇所もあります。ですがだいたいでも理解しておくと、着色に有利。

光ってこんなに種類があるんだ、強さによって見え方が全然違うんだ、といったデジタルイラストに欠かせない知識が満載。

今まで大雑把に光源を決めて、陰影をつけて着色していた人にこそおすすめ。その概念ぶっ壊れます。

光と色のチュートリアルの書籍情報

ページ数204ページ
著者パク・リノ
出版社マール社
発売日2021/12/07
価格2,200円

著者のパク・リノ氏はArteum Academyで人体ドローイング・イラスト講座の講師を務め、オンライン講座は3年待ちの大人気。

フリーのイラストレーターとしても活躍し、光と色のチュートリアルのほかに「お絵かきチュートリアル」や「色塗りチュートリアル」など合計4冊のイラスト本を出版しています。

チュートリアルシリーズの紹介

各シリーズの特長を紹介。

表紙
タイトル お絵かき
チュートリアル
ポージング
チュートリアル
色塗り
チュートリアル
光と色の
チュートリアル
特長 基本的なキャラの
描き方を学べる
魅力的に見せる
ポーズを描く技術を学べる
色と光の
基礎知識を学べる
光の種類、ライティングを
活かした彩色が学べる
ページ数 192ページ 224ページ 208ページ 204ページ
価格 1,870円 2,200円 2,090円 2,200円
紹介
リンク

基礎的なのは「お絵かきチュートリアル」と「色塗りチュートリアル」。これでキャラの描き方と塗り方が学べます。

そしてもう少し深い話になる「ポージング・チュートリアル」と「光と色のチュートリアル」。これで初心者から脱し、ワンランクうえのステップに。

最初は基礎的な2冊から入って、そのあとにもう少し突っ込んだ内容の2冊で学ぶのがおすすめです。

光と色のチュートリアルのレビューまとめ

光と色のチュートリアルのレビューでした。

内容は光と色の解説がメインのため、これまでのチュートリアルシリーズより、難しいと感じました。

光学現象についても書かれており、科学の領域に少し入っている感じ。

しかし理解できるとデジタルイラストにも活かせることは確実。少しずつ取り入れてみるのがよさそうです。

まだ色塗りチュートリアルを読んでいない方は、まずはそちらがおすすめ。

本書で学べる内容
  • 光と色の仕組みと基礎知識
  • 光の種類や色に影響を与える範囲
  • ライティング
  • 色を構成する要素
  • 彩色の種類と特長
  • 彩色の手順と練習法
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