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評価:4.5
イラストを描くとありきたりな表情になってしまう、ポーズのバリエーションを持ち合わせていない。
だからいつも同じようなイラストになってしまう。もっと自由自在にキャラクターイラストを描きたいが、どうしたらいいのかわからない。
そんな人におすすめのイラスト本が「キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニック」です。
本書はキャラクター性を表現する、ポーズと表情の演出テクニックが20種以上書かれています。
「こんなポーズや表情がありますよ」ではなく、「そのキャラクターならこんなポーズでこんな表情をしますよ」というキャラクター視点で解説。
小悪魔キャラや元気系キャラなど、こんなキャラクターが描きたい!といったときに活用できる、ポーズ・表情の描き方でおすすめの本です。
ただし演出がメインのため、そもそものイラストを描くのが慣れていない人は、ポーズや顔の描き方の本とあわせて持っておくのがベターです。
ということで本記事では「キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニック」を詳しく紹介していきます。
- キャラクターイラストの基礎知識
- キャラクターの特徴18タイプ
- ポーズの作り方とその演出方法12種
- 表情の作り方との演出方法13種
クリックできる目次
キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニックの内容
「キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニック」の目次に沿って内容を紹介していきます。
キャラクターイラストの基礎知識
本章ではキャラクターを描く基礎知識について書かれています。その内容は以下。
- 魅力的なキャラクターイラストとは?
- ポーズと表情の演出がキャラクター性を生み出す
- 描き方ステップ
- 人物を描くための基本知識
下図では“魅力的なキャラクターイラスト”とはどんなものかについて解説されています。
一目でそのキャラクター性が掴めたり、それに最適なポーズと表情をさせていること。それが魅力的なキャラクターイラスト。
上記のほかにも体の比率や、アオリやフカンなど基本的な描き方にも軽く触れています。
キャラクターが持つ特徴を把握しよう
本章ではキャラクターのもつ”タイプ”について、演出・ポーズ・表情などの特徴が書かれています。
キャラクターのタイプ一覧は下記です。
- 描きたいキャラクターの人物像を把握しよう
- キャラクター作例 元気
- キャラクター作例 天真爛漫
- キャラクター作例 真面目
- キャラクター作例 クール
- キャラクター作例 頑張り屋
- キャラクター作例 清楚
- キャラクター作例 無垢
- キャラクター作例 恥ずかしがり屋
- キャラクター作例 根暗
- キャラクター作例 自信家
- キャラクター作例 王者
- キャラクター作例 飄々
- キャラクター作例 ミステリアス
- キャラクター作例 小悪魔
- キャラクター作例 セクシー
- キャラクター作例 ツンデレ
- キャラクター作例 ヤンデレ
- キャラクター作例 クレイジー
下図は恥ずかしがり屋のキャラクターの特徴です。
恥ずかしがり屋の例として、おすすめの演出は下記になり、それに基づいて実際のポーズや表情を決定していきます。
- ポーズ:引っ込み思案
- ポーズ:動揺
- 表情:羞恥心
具体例が書かれているため、恥ずかしがり屋のキャラを描きたいときに、それをどう表現すればいいのかがわかります。
続いて下図は自信家のキャラクターの作例。
自信家キャラのおすすめ演出はこんな感じです。
- ポーズ:目立ちたがり
- ポーズ:全力
- 表情:決意
- 表情:満足感
特徴的なのは体を大きく見せるポーズと、自信たっぷりな表情(ドヤ顔)。
あくまで作例なので、自分なりに自信家のイメージを膨らませてポーズと表情を決めると、また違ったキャラクターが出来上がります。
こういったキャラクターのタイプが18個収録されています。
「ポーズの演出」でキャラクター性を伝える
本章はポーズの作り方とその演出について書かれています。詳しい項目は以下です。
- キャラクター性に合うポーズを作ろう
- ポーズの作り方 PART1 【行動】
- ポーズの作り方 PART2 【キャラクター性】
- 複数のポーズをかけ合わせてみよう
- ポーズの演出 性別イメージ(男性らしい⇔女性らしい)
- ポーズの演出 自己顕示欲(目立ちたがり⇔引っ込み思案)
- ポーズの演出 自制心(自由奔放⇔規律重視)
- ポーズの演出 器用さ(器用⇔不器用)
- ポーズの演出 態度(偉そう⇔へりくだる)
- ポーズの演出 秘密(明け透け⇔秘密主義)
- ポーズの演出 気力(強気⇔弱気)
- ポーズの演出 危機管理能力(警戒心⇔無防備)
- ポーズの演出 緊張感(余裕⇔緊張)
- ポーズの演出 状況把握(冷静⇔動揺)
- ポーズの演出 力加減(全力⇔省エネ)
- ポーズの演出 対象への興味・執着(興味津々⇔無関心)
下図は「態度」のポーズ演出。
相手と自分の関係性を提示するときに使う演出。自分のほうが立場が上なら「偉そう」に。
相手の立場が上なら「へりくだる」。そうしたときに取るポーズです。そういった演出ポーズが12種収録されています。
また印象が変わるポーズの違いについても解説されています。
体を反るか曲げるか。上向きか下向きかなどでも与える印象が変わり、キャラクター性を表現できます。
「表情の演出」でキャラクター性を伝える
本章では表情の作り方とその演出について書かれています。詳しい項目は以下です。
- 表情を自在に描き分けよう
- 表情の作り方 PART1 【眉と口】
- 表情の作り方 PART2 【目もと】
- 表情の作り方 PART3 【生理現象】
- 複数の表情をかけ合わせてみよう
- 相乗効果とギャップ、どちらを狙う?
- 表情の演出 無表情(平静)
- 表情の演出 友好的
- 表情の演出 満足感
- 表情の演出 困惑
- 表情の演出 羞恥心
- 表情の演出 悲しみ
- 表情の演出 嫌悪感
- 表情の演出 怒り
- 表情の演出 驚き
- 表情の演出 無気力
- 表情の演出 決意
- 表情の演出 たくらみ
- 表情の演出 疑心
下図は表情をかけ合わせて、複雑な表情を作る例です。
かけ合わせ方は悲しみや驚きなど「感情タイプ」と、決意やたくらみなど「思考タイプ」から選びます。
作例でいくと「悲しみ(感情)」×「怒り(感情)」で泣きながら怒る表情。
「悲しみ(感情)」×「決意(思考)」で泣きながら決意する表情。こうしたかけ合わせで複雑な表情をつくり出せます。
続いて下図は「驚き」の表情演出の例。
眉(上がる)・目(見開く)・口(丸くなる)の形で驚いた表情を描くテクニックが書かれています。
また同じ驚きでも黒目の大きさで、その驚きの大小を表現できることも書かれています。
驚きのほかに全部で13個の表情について演出が収録。表情をうまく描き分けたい人にとって充実した内容です。
表紙イラストメイキング
10ページほどでまとめられたメイキング。作画ではなく、キャラクターの表情とポーズを決める手順について書かれています。
手順についてはざっくり下記のような流れ。
- 描きたい雰囲気やキャラクター性を決める
- 座る・走る・ジャンプなどの行動を決める
- 体のパーツにキャラクター性を追加する
- 表情を決める
- 服に装飾を追加する
以上が「キャラクターイラストの引き出しを増やす ポーズと表情の演出テクニック」の内容です。
キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニックのレビュー
本書の特徴は、キャラクター性を出すためのポーズと表情の演出方法に特化している点。
ただのポーズ集や表情集、描き方にとどまらず、こういったキャラクターにあうのはこのポーズとこの表情、といったことが書かれています。
イラストを描くときにキャラのポーズや表情をどうしようかな、と悩むことがありますが、これはあまりよくない考え方。
なぜならポーズや表情はキャラに紐づけされるもので、別々で考えるべきものではないからです。
なのでポーズと表情を考えるときは、キャラクターがどういう性格・属性をもっているか、から考える。その重要さを教えてくれます。
ただ”演出テクニック”がメインなので、描き方そのものについてはあまり触れられていません。
本書を最大限に活かすなら基本的な表情の描き方、喜怒哀楽や、あるていどのポーズは描けたほうがいいです。そのうえでの演出テクニックですね。
表情の描き方そのものを知りたい人は「表情-顔の微妙な表情を描く-」がおすすめ。
眉・目・口など顔のパーツをどう動かせば、どんな表情になるのかが書かれています。
またポーズそのものの描き方を知りたい人は「ポージングチュートリアル」がおすすめ。
人体を図形化して立体的に、いろんなポーズを描けるノウハウが書かれています。
まとめるとポーズや表情の描き方を知っていても、それをイラストにどう活かせばいいのかわからない。キャラクター性をとことん出した魅力的なイラストを描きたい、そんな人におすすめの本です。
キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニックはこんな人におすすめ
「キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニック」は、キャラクター性を表現するコツがたくさん書かれている本です。
そんな本書をおすすめするのはこんな人。
- 表情やポーズがいつも同じになってしまう
- キャラクターの個性が出るイラストを描きたい
- 表情やポーズの考え方、バリエーションを知りたい
ポーズや表情に特化した本はいくつかありますが、キャラクター演出という視点から書かれている点が本書の特徴。
それゆえ「お嬢様」「清楚」など、描きたいキャラクター属性にあわせて最適なイラストが描けるようになります。
キャラクターにあわせた表情やポーズを描きたい人におすすめです。
キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニックの書籍情報
書籍名 | キャラクターイラストの引き出しを増やす ポーズと表情の演出テクニック |
---|---|
ページ数 | 208ページ |
著者 | カリマリカ |
出版社 | 翔泳社 |
発売日 | 2022/7/11 |
ISBN-13 (ISBN-10) | 978-4798173290 (4798173290) |
価格:紙 (電子書籍) | 2,200円 (1,980円) |
キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニックのレビューまとめ
「キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニック」のレビューでした。
ポーズと表情を決めるときには、まずそのキャラがどんな性格・特徴・属性をもっているのかを考える。
そのうえでそのキャラクター性が伝わるポーズ、表情をとらせる。「なるほど!」と思いました。
ポーズ、表情を描くときは、まずキャラクター性を考えることの重要さがわかるおすすめの本です。
- キャラクターイラストの基礎知識
- キャラクターの特徴18タイプ
- ポーズの作り方とその演出方法12種
- 表情の作り方との演出方法13種