ストーリーの展開上、主人公を戦わせたいが一体なんのために戦うのか、その理由をつくれなくて困っていませんか?
確かに「戦う理由」は必要ですよね。
それを描かなければ読者から「え?なんで戦うの?」
と、ストーリーに集中してもらえません。
ですが、それこそが答えといえます。
読者に感情移入させるために“ 戦う理由 ”がいるのです。
ということは“ 戦う理由 ”は、読者の共感を得られるものにすればOKです。
共感を得ることができたら、感情移入できるのでストーリーに集中してもらえます。
戦う主人公を応援してもらえます。
では、読者の共感を得られる“ 戦う理由 ”とはどんな理由でしょうか。
ここではその理由について触れたいと思います。
やってはいけない主人公が戦う理由づけ
まずはじめに戦う理由として、つけてはいけないものがあります。
それは「世界を救うため」です。
これがなぜダメなのか。
主人公が戦う理由として、この「世界を救うため」は読者の共感が得られにくいからです。
感情は、日常で感じる想いなので、「世界を救うため」になにかをする。
ということがイメージできません。
例えば
- 世界を救うために暴力団と戦う
- 世界を救うために詐欺師と戦う
- 世界を救うためにボクシングチャンピオンと戦う
- 世界を救うために眠気と戦う
これだとなんのこっちゃ、ですよね。
世界を救う=○○と戦う、が成立していないので感情移入ができないのです。
なので漠然と「世界を救うため」という理由はNGです。
ではどうしたらいいか?
それは、日常で行動する感情に落とし込むことです。
- ナンパされた彼女を助けるため暴力団と戦う
- だまし取られたお金を取り戻すため詐欺師と戦う
- 世界一になるためボクシングチャンピオンと戦う
- 仕事を終わらせるため眠気と戦う
こうすれば、戦う理由がわかりやすいですよね。
このように行動する理由を、現実でもあり得る理由にすることが大切です。
ちなみにゲームなどでよくある
世界を滅ぼそうとする悪い奴がいて
世界を救うためにその悪い奴と戦う。
というものがありますが、これも例外ではありません。
ゲームは自分が主人公としてプレイするので、そんなに問題ではありません。
ですが漫画の場合はダメなんです。
たとえ世界を滅ぼそうとしてる奴がいても
その戦う理由は、現実でもあり得る理由に落とし込む必要があります。
そしてその結果、世界を救うんです。
わかりやすい例でいえば、『ドラゴンボール』がそうですね。
「サイヤ人編」や「フリーザ編」でも悟空は地球を救うためや、宇宙を救うために戦っていません。
強い奴と戦いたい!
やられた仲間のため!
という日常でも感じる理由で戦っています。
そしてその結果、地球を救うのです。
主人公が戦う理由のつくり方
主人公がなに者かと戦う、という展開にしたいときありますよね。
でも戦う理由がない。
そんなときは戦う理由をつくってしまいましょう!
戦う理由をつくる上で大切なのは、主人公の感情にひもづけることです。
例えば、主人公の
- 逆鱗に触れさせる
- 大切にしているものを壊す・奪う
- 大切な人を傷つける
- 正義と反している行動をとる
- 命の危険を感じさせる
- 自由を奪う
という、主人公が戦いたくなる、または戦わざるおえない状況を作りだしましょう。
そうすることで
- 怒り
- 守りたい
- 正義感
- 生きたい
- 解放されたい
と何かしらの感情をいだき、何者かと戦うことが自然となります。
また、主人公自身が戦う理由をもっている場合もあります。
- 強い奴と戦いたい
- 修行など己を鍛えるため
- 約束を守るため
- 弱い自分を見せたくないから
- 逃げることがカッコ悪いと思っている
何者かと戦う前に、こういった理由を主人公に仕込んだり、読者に見せておくと、戦う流れが自然になります。
しかしもっと簡単な方法があります。
それは
主人公の目的のジャマをすることです。
ストーリーは、主人公の目的を達成するために展開していきます。
- 恋愛成就
- 悪い奴をやっつける
- 仕事や夢で成功する
- お宝をハントする
- そのスポーツの大会で優勝する
これらの目的があった場合
- 恋のライバル
- 競争相手
- ジャマする奴
- 倒すべき相手
などとし、主人公の目的を阻むことで、自然と戦う流れになっていきます。
本当は戦いたくない主人公の動機づけ
本当は戦いたくないのに戦わなければいけない。
そういった状況を作りだすことです。
例えば
- 戦わないと生きて帰れない
- 戦わないと好きな誰かが死ぬ
こういった状況や
- 大切な人
- 幸せな環境
- 誇りや信念
など、なにかが失われるのを守るために戦う。
これが本当は戦いたくない主人公の動機づけです。
『戦いたくない』とネガティブなので、理由もそういったネガティブな感情からくるほうが、共感を得られやすいです。
まとめ:主人公が戦う理由には共感が大切
主人公が戦う理由はなんでもいいわけではありません。
適当に理由を探してつけたとしても、読者は共感が得られなければ面白く感じてくれないんです。
主人公の感情を大切に描き、その感情から戦う流れにもっていくようにすると、読者は共感してくれます。
主人公が戦う理由で大切なのは、読者に共感してもらうことです。
あなたが何者かと戦うときに、どういった理由なら戦えるのかを考えると、その答えを導き出せるかもしれません。
「主人公が旅をする目的のつくり方」を書いている記事もあります。
あわせてご覧ください。

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