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ドローイングはデッサン、クロッキー、模写、と並ぶ王道の絵の練習方法です。
対象物をそのまま描き写すよりも、見て受けた印象をどう表現するのかが大切。そのためにラインの引き方や人体構造の知識など、覚えることがたくさんあります。
またドローイングの本は人体メインと、ジェスチャーメインの2つあるのが特徴。
イラストでおすすめの本としてもその名がよく挙がる、キムラッキの人体ドローイングは人体メイン。リズムとフォースはジェスチャーメインです。
本記事では人物を描くことをメインとした人体ドローイングと、動きを捉えることをメインとしたジェスチャードローイングにわけて、それぞれでおすすめの本を紹介していきます。
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人体ドローイングでおすすめの本7選
人物を描くことをメインとした、人体ドローイングでおすすめの本を紹介します。
TACO直伝!知っているだけで劇的に上達する人体ドローイングのコツ390
人体を描く必要なポイントだけをまとめているのが「TACO直伝!知っているだけで劇的に上達する人体ドローイングのコツ390」。
解剖学などの難しい話はほとんど出てこないので、初心者にも取っつきやすくわかりやすいのが特徴です。
人体ドローイングの本で絵を描きたい、模写したい、と思ったらコレ。
下図は頭部の中でも、口を描くコツを解説しています。
口と鼻の比率や、口を開けたときの角度など、ここを気をつけて描けばいいよ、ということを教えてくれます。
続いて下図は腕を動かしたときの肩と、上腕の筋肉について。
腕を上方へ回すのと、下方へ回すのとでは肩の形が違うこと、上腕筋は曲げるのと伸ばすのとでは形が違うことを解説しています。
このように400以上にわたって、人体を描くときのコツがすみずみまで描かれているので、ドローイングするにはとても役立ちます。
模写して画力をあげるにも最適の本です。
キム・ラッキの人体ドローイング
言わずと知れた良書、キムラッキの人体ドローイング。
本書の特徴は人体を図形化して捉えることと、人体解剖学を混ぜ合わせたハイブリッドな絵の描き方。
美術解剖学に基づいた筋肉運動や骨格が、動作やポーズを取ったときにどう形成されるかを見て取れます。
また人体を図形化する描き方や、角度違いによるパーツの見え方なども知ることができます。
筋肉の付き方がわかれば、身体のアウトラインもわかるようになっていきます。
他書との違いは単なる美術解剖学にとどまらず、さまざまなポーズでの見え方や、図形化して人体を捉えやすくしている点です。
ページ数も約400ページの大ボリューム。初心者は1冊まるまるやるのはキツいかもしれませんが、やれば確実に画力があがる良書です。
マイケルハンプトンの人体の描き方
マイケルハンプトンの人体の描き方は、骨格や筋肉など人体構造をもとに、動きを意識したドローイングが解説されています。
本書の冒頭でジェスチャードローイングについての記述があり、動きを意識した人体ドローイングといった内容。
そのため骨格や筋肉についての構造もしっかり書かれています。
また本書の特徴として、空間内に人体を描くための基本練習と、オーバーラップや短縮法など、様々なテクニックが解説してあります。
一見むずかしいようですが、人体を簡略化して描く方法も載っているため、初心者でも入りやすい本の構成になっています。
見たままに描く写実的なドローイングより、デザインされたドローイングに重きをおいているため、インスピレーションを技術に載せて描きたい人におすすめ。
人体ドローイングの基礎
本のタイトル通り、自由なポーズを描くための人体ドローイングの基礎が詰まった本。
人体構造・パース・服のシワなどが解説されています。
特徴的なのはまず初めに線の練習が記載してあるところ。
ドローイングにおいて線の引き方は重要なので、そのポイントが書かれているのは本書ならでは。
そして人体を描くための構造もしっかり解説してあります。
パース(透視図法)や服のシワについても触れていて内容は幅広い。人体ドローイングに大切なことを網羅している1冊です。
ガールズ・ドローイング入門
ガールズ・ドローイング入門は、女の子をより魅力的に描く表情や動作を描くコツが詰まった1冊です。
タイトルにもある通り、女の子特化。男性の描き方は載っていません。
絵を描くための人体構造を最低限に抑え、表情やポーズにも解説がある点が本書の特徴です。
上図は表情の基本となる「喜・怒・悲・驚」の描き方。眉や口の動かし方で見え方がわかります。
続いて下図は魅力的に見えるポーズについて。
イラストを描くときによくいわれるコントラポストの解説があります。
内容は初心者向きなので、キムラッキの人体ドローイングが難しいと感じる人におすすめ。
これ1冊で女の子の人体構造・表情・ポーズ・シワの描き方が学べます。
グレン・ビルプのドローイングマニュアル
グレン・ビルプのドローイングマニュアルは古典絵画の手法をベースに、動きや感情を伝える描画テクニックについて書かれています。
具体的な内容としてはまずジェスチャーについての解説があり、そのあと人体を球体・ボックスで捉え、解剖学で肉付けしていく、といった構成です。
ドローイングの技法を段階的に解説していくため、初心者の人でも比較的入っていきやすい点があります。
ロレンツォのドローイングチュートリアル
ロレンツォのドローイングチュートリアルは、複雑な描き方は抜きにしてシンプルに描くコツが書かれた本です。
人気がありシリーズ化された本書は、人体以外のモチーフも載っている点が特徴。動物や自然物、乗り物、建物、構図など多種多様なドローイングが可能に。
人体のドローイングでいうと簡単なコツと描き方の解説があります。
また他書ではほとんど書かれていない歩き方も載っています。
いろんなモチーフが載っているため、人体パートは全体から見ると少な目。ですが難しい人体構造が苦手、人体以外も描きたい人におすすめです。
ジェスチャードローイングでおすすめの本3選
動きを捉えることをメインとした、ジェスチャードローイングでおすすめの本は以下の5冊。
はじめてのジェスチャードローイング
はじめてのジェスチャードローイングは短時間で描くことと、シンプルな線で描くことに比重をおいた本です。
前シリーズの「10パーセントの力で描くはじめてのジェスチャードローイング」の続編となる本書は、着衣とビッグシェイプについて書かれています。
ビッグシェイプとは、対象を見たときの印象を大きなカタマリで捉えること。
これを基本に線をシンプルに落とし込み、ドローイングしていく力をつけていきます。
特徴は見たありのままを描くのではなく、見た印象を大切に、その印象のまま絵に描き起こす技術が学べる点です。
写真を使っての作例がたくさんあるため、数をこなすことで短時間・シンプルな線で描けるようになる1冊です。
リズムとフォース
リズムとフォースは、ダイナミックなドローイングを描くための基本を解説した本です。
タイトルにあるフォースは、何らかの目的をもったエネルギーと定義付けし、それを表現するためのドローイング方法が記載されています。
そのため躍動感や、生命を感じる絵が描けるようになるのが利点。
また本書の特徴として筋肉や骨格の説明がなく、すべてフォースを感じる線で描かれています。
フォースやシェイプ、サーフェスラインにオーバーラップなど、専門用語が飛び交うので理解するのが難点なものの、ドローイングの技術としては確かな内容が書かれています。
対象は初心者より中級者向き。あるていど絵が描ける人のほうが本書を活かせます。
ラインを極める:人体ドローイングマスターコース
ラインを極める:人体ドローイングマスターコースは、ドローイングの基礎知識・ジェスチャー・構造を学べます。
ドローイングに大切な線の引き方から、そこからどうやって絵を仕上げていくのか、その全ステップが載っています。
下図はジェスチャーについての解説。
身体には全体を通して流れがあり、それを線で表現していく。線の組み合わせによって流れを止めてしまうので、ジェスチャーが活きる線の見極めが大事。
それを人体の構造を崩さずに捉え、表現していきます。下図は人体構造について。
ジェスチャーを表現するのに大事なのは線。脚を描くにしても、脚の内側と外側のライン次第で、ジェスチャーが活きるかどうかが知れる、そんな本です。
ドローイングに関するよくある質問
ドローイングに関するよくある質問をまとめました。
ドローイングとはどういう意味ですか?
drawingは英語で、直訳すると描画。鉛筆やペンなどで描く、単色の線画のことを指します。
そのため、陰影や立体感を養うためにじっくり時間をかけて描き込んでいくデッサンとは違い、比較的短時間で人体の特徴を捉えた線主体の絵がドローイングです。
またジェスチャードローイングは見たままの印象や、人体の動きの流れを表現した絵のことを指します。
クロッキーとドローイングの違いは何ですか?
クロッキーとドローイングの違いは絵の表現方法です。
クロッキーはフランス語のcroquis(クロッキー)が語源。日本語だと速写という意味になり、10分以内で動いている人物や風景を描き写すことを指します。
そのため絵の描き込みは少なく、対象の輪郭や特徴を端的に捉えた描写がメインです。
一方ドローイングは人体などから受けた印象を、自分なりの解釈で自由に線画で表現することを指します。
そのため見たままを書くクロッキーと違い、同じ対象物でも描き手によって十人十色の絵が生まれるのが特徴です。
ドローイングとスケッチの違いは何ですか?
スケッチは英語のsketch(スケッチ)が語源。日本語だと写生や素描といった意味になり、大まかに描き写すことを指します。
そのため鉛筆やペンを使って単色の線画を描くドローイングと違い、使う画材を問わず色も自由なのがスケッチです。
またスケッチは下絵の意味もあり、そこから水彩画や油絵など色をのせて完成させることもあります。
一方ドローイングは線を主体とした絵が完成形です。
人体ドローイング・ジェスチャードローイングでおすすめの本まとめ
人体ドローイングとジェスチャードローイングでおすすめの本を紹介しました。
人体ドローイングは人をボックス描きや球体で簡略化して捉える手法が多く、ジェスチャードローイングは人体の流れを活かすライン取りの手法が多い印象でした。
人体構造を理解しつつ、しっかりキャラを描きたのであれば人体ドローイング。アニメや動きのある絵を描きたいのであれば、ジェスチャードローイングの本。両方あれば最強ですが、どんな絵を描きたいかによって選んでいただくのがいいかと思います。
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