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評価:4
絵をはじめてみたけど上手く描けない。デッサンや人体構造の勉強は難しくて挫折してしまう。
なにかコツだけを集めた絵が上手くなる本はないか。
そんな初心者の悩みを解決してくれるのが「ややこしくない絵の描き方」です。
タイトルの通り、人体の比率や複雑な構造の解説はなく、「こう描けばOK!」とシンプルにコツを教えてくれます。
コツの説明もイラスト主体で、文は添えるだけ。それが非常にわかりやすくて視覚的にも理解できる点が特徴です。
難しいことはよくわからないけど、絵の描き方を知りたい人におすすめのイラスト本といえます。
というわけで本記事では、「ややこしくない絵の描き方」の内容を紹介していきます。
- 構図・空間の取り方
- キャラクターの描き方
- 演出と物語性の出し方
- 絵の悩み相談
クリックできる目次
ややこしくない絵の描き方の内容
ややこしくない絵の描き方の目次は以下のとおり。
全部で8章あり、キャラの描き方から構図や演出まで、イラストを描くのに必要な要素が揃っています。
難しい人体のあれこれは抜きにして、ここはこんな風に描くといい感じに描ける。といった内容です。
構図・空間
本章では「構図の考え方」や「空間を自由に描く」ためのノウハウが書かれています。
上図は「ロングショット」や「クローズアップ」など基本の構図。とくに漫画では同じ構図(ショット)が続かないようにバランスよく組み込むことが大事です。
キャラクター/頭・顔
本章では顔やパーツ、表情の描き方が載っています。細かなチャプターは以下です。
- 頭の描き方
- 目・瞳の描き方
- 顔・輪郭の描き方
- 表情の描き方
- 顔の角度の描き方
- 耳の描き方
- 口の描き方
- 鼻の描き方
- 髪の描き方
下図は基本となる顔・輪郭の描き方。
“そらまめ”の形で覚えたり、”画数”を意識して描いたり、わかりやすい方法で解説しています。
下図は実際に顔のパーツを描き込んだ例です。
上図以外にも「目」や「耳」、「髪」などのパーツに特化した解説もあります。
この章で参考になったのは、顔の立体感を掴む方法。顔を正面と側面で捉えられるので、平面的な絵から抜け出せます。
キャラクター/胴体
本章は身体に関する描き方。とくにおっぱいとお尻にはこだわりを感じました。
記載のあるチャプターは以下。
- 腰~首の描き方
- おっぱいの描き方
- おしりの描き方
下図は腰から首の描き方です。
まずは簡単な四角で胴体を捉えて、お尻や肩をつけ加えます。こういったパーツを単純化するのは、絵を描く上で非常に有効な方法です。
続いて下図は腰の描き方。
腰を3つのパーツに分けて考えることで、脚とのつなぎも理解が進みます。
そのほかにもおっぱいとお尻の描き方も、いろんな角度から見たときや、着衣したときの見え方などは参考になりました。
キャラクター/肩・腕・手
本章で書かれている内容のチャプターは以下です。
- 手の描き方
- 肩~腕の描き方
- 腕の描き方
手は複雑な構造をしているため、他の部位より単純化して覚えるのが得策。
下図では手をクリームパンに見立てて、描き方を解説しています。
赤ちゃんの手はクリームパンみたいな形をしていますが、それを成長させると人の手の形になります。
その他にもいろんな手のポーズが載っているため、資料集としても活用できます。
キャラクター/腰・脚・足
本章は下半身の部分について書かれています。チャプターは以下。
- 足の描き方
- くつの描き方
- 足~腰の描き方
- 脚の描き方
下図は脚の描き方。
脚は「曲げる」か「伸ばす」かだけ。これは記載されている文ですが、そう考えると簡単な感じがします。
とはいえ絶妙な曲線の脚。ライン取りが難しいですが、これもきちんと解説がされています。
キャラクター/全身
キャラの全身やポーズの描き方の章です。
- 全身の描き方
- ポーズの描き方
下図はポーズの描き方。
顔・胸・腰などのパーツの向きを変えることで、絵としての単調さをなくし、ポーズの種類も増える。
モノ・演出・物語
キャラ以外の部分について言及している章。チャプターは以下です。
- 影・テクスチャの描き方
- シワの描き方
- 物語のつくりかた
下図は物語のつくり方です。
ここでも「行って・帰る」という、ややこしくないシンプルな考えで解説されています。
続きモノのイラストや漫画でも活用できる内容。またストーリー性のあるイラストを描くときにも活用できます。
絵柄・個性・進路
本章は絵描きがぶつかる悩みについて、著者なりの回答がされています。内容は以下です。
- 絵師さんの絵柄変わる問題
- 絵を描くべき?勉強すべき?
- 絵の進路の考え方
- 職業選択のハナシ
絵柄が変わる問題などは直面する人多いですよね。絵描きさんと切っても切れない悩みな感じがします。
そういった悩みへの回答が書かれているもの、本章の特徴の1つです。
総括すると、全体を通してキャラを描くための簡単なコツがたくさん盛り込まれています。難しい内容は避けたい人、さくっとコツを知りたい人におすすめです。
ややこしくない絵の描き方のレビュー
ややこしくない絵の描き方はそのタイトル通り、難しい内容は一切ありませんでした。
キャラを描くときに気をつけるポイント、上手く見えるコツだけをギュッとつめ込んだ、そんな本です。
例のイラストも簡略化して描かれているため、模写しやすいのも特徴。
ただし情報量の多い絵が描きたい、キャラの立体感を大切に絵を描きたい人には向いていません。
また、美術解剖学など理論に基づく絵の描き方ではなく、感覚的な説明に終始しているため、本格的に絵の勉強をしたい人には向いていません。
とはいえ趣味で絵を楽しみたい、絵をどうやって描けばいいのか分からない人には参考にできる内容です。
絵を始めたばかりの初心者におすすめ。
ややこしくない絵の描き方はこんな人におすすめ
ややこしくない絵の描き方をおすすめするのはこんな人です。
- 絵を描くコツを知りたい
- 簡単に続けられる練習方法がいい
- キャラのパーツごとの描き方を知りたい
- 難しい内容の本は合わない
本書の特徴は「ややこしくない」こと。
そのため初心者が挫折しやすいデッサンや、人体構造などについてはほどんど語られていません。
そのかわり、ややこしくない絵の描き方を提案してくれています。
このややこしくない絵の描き方のコツがわかりやすいため、絵の初心者や楽しく絵を続けたい人に最適です。
ややこしくない絵の描き方の書籍情報
書籍名 | ややこしくない絵の描き方 |
---|---|
ページ数 | 303ページ |
著者 | 松村 上久郎 |
出版社 | 秀和システム |
発売日 | 2020/10/29 |
価格 | 1,760円 |
本書は、感情を伝える技法を解説した「心にのこる絵の描き方」と、いつも同じ絵ばかりになって描くのが辛い悩みを解消する「辛くならない絵の描き方」に続くシリーズ第三弾です。
絵の描き方シリーズ
絵の描き方シリーズの紹介です。
表紙 | |||
---|---|---|---|
タイトル | 心にのこる絵の描き方 強い印象を与えるための35の方法 |
辛くならない絵の描き方 | ややこしくない絵の描き方 |
特徴 | イラストで感情を表現し 個性をつける技法が学べる |
絵を描く人の「精神的な」悩みに 1つ1つ向き合って解消している |
ややこしくない絵の描き方と練習方法を わかりやすくまとめた入門書 |
ページ数 | 127ページ | 210ページ | 306ページ |
価格 | 1,540円 | 1,540円 | 1,760円 |
リンク |
絵を始めるとぶち当たる壁。それを壊してくれる3冊です。
「ややこしくない絵の描き方」で絵を学び、さらなる飛躍として「心にのこる絵の描き方」でクオリティを上げる。
その過程で絵を描くのが辛くなったら「辛くならない絵の描き方」で、悩みを解消する。
こんなサイクルで本シリーズを使うのがおすすめです。
ややこしくない絵の描き方のレビューまとめ
ややこしくない絵の描き方のレビューでした。
難しい技法書に手を出して挫折しそうになったことがある人は、まずはややこしくない絵の描き方からはじめてみるのもおすすめです。
- 構図・空間の取り方
- キャラクターの描き方
- 演出と物語性の出し方
- 絵の悩み相談