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アナログ漫画ってどうやって描けばいいの?
使う画材や原稿用紙の描き方など、分からないことが多いですよね。
漫画は原稿用紙に描き始める前に、ネームと呼ばれる漫画の設計図があります。
このネームを描き、それをもとに原稿用紙に漫画を描いていきます。
この漫画の描き方はデジタルでもアナログでも、ネームを作るまでの過程はほぼ同じです。
ネームまでの作り方は下記の記事を参考にしてください。
それでは本記事では、アナログで漫画を描くための、画材や原稿用紙に描く手順などを解説していきます。
クリックできる目次
アナログ漫画を描く道具
アナログで漫画を描くには以下の道具が必要です。
- 漫画原稿用紙
- ペン先
- ペン軸
- インク
- 筆ペン
- 修正液
- スクリーントーン
- トーンカッター
- 定規
上記の画材道具は、画材専門店に売っています。
店舗によってはロフト(種類は少ない)にも置いてあります。
でも確実に買うならネットがおすすめ。
画材道具については下記の記事を参考にしてください。
【完全初心者】漫画を描く道具とおすすめの画材を解説おすすめの漫画原稿用紙
他の漫画道具はあなたの好みに合わせてもOKですが、漫画原稿用紙だけはおすすめがあります。
そのおすすめの漫画原稿用紙は「アイシー」。
漫画原稿用紙の主なメーカーは、
- アイシー
- デリータ
があります。
わたしは両方使ったことがありますが、描きやすさや使いやすさの違いは、ほとんど感じません。
初めての人は漫画原稿用紙にそもそも慣れていないので、その違いを体感することはないと思います。
ではなぜ「アイシー」がおすすめかというと、
ポイントがあるからです。
アイシー製品には、ベルマークみたいに製品にポイントがついています。これをポイントパスといいます。
そのポイントを一定数ためて送れば、原稿用紙やトーンなどいろんな画材道具に交換できます。
これは初心者さんや漫画家志望さんにとっては、うれしい制度。
画材にかかるお金もバカになりません。
わたしはこれに気づかず約10年間ずっと捨てていました……。。。
なので、おすすめの漫画原稿用紙は「アイシー」です。
参考 ポイントパスポート漫画画材のブランド・アイシー 漫画原稿用紙の選び方とおすすめ製品!プロ用と同人誌用ではサイズが違う漫画原稿用紙の使い方
漫画原稿用紙には描くためのルールがあります。といっても難しくなく、とても簡単です。
覚えるべきルールは「3つある枠線の意味」と「絵を描いてもいい範囲」、これだけです。
漫画原稿用紙には3つの枠線があります。
- 基本枠
- 断ち切り線
- 外枠
それぞれの意味はこちら。
基本枠
断ち切り線
外枠
まとめると、基本枠を基本にセリフは断ち切り線の中に入れる。
絵は外枠まで描く。
といった感じです。
さらに詳しい漫画原稿用紙の使い方は、下記の記事を参考にしてください。
【これで解決!】漫画原稿用紙の使い方がよくわかる!そこに絵を描いちゃダメですよ!アナログ漫画の描き方の手順
アナログ漫画を描く手順は以下です。
1.漫画原稿用紙に下描きする
ネームをもとに、漫画原稿用紙に下描きをしていきます。
この工程で使う画材はこちらです。
定規は45cm以上のものを使用します。
プロ・投稿用のB4サイズでは、端から端まで線が引けるのが45cm。
シャーペン(えんぴつ)の硬さはB以上がおすすめ。
紙にあとが残りにくいので、後から下描きを消すときに楽です。
下描きはコマ枠と、コマ枠の中に絵を入れていきます。
漫画原稿用紙にコマ枠を引く
コマ枠を定規を使って、1コマ1コマ引いていきます。
最初に全ページのコマ枠を引き終えてしまうと、あとは中に絵を入れるだけなので効率がよくなります。
コマ枠の中に絵を入れる
コマ枠の中に、人物などを下描きしていきます。
下描きは…
- キャラクター
- フキダシ
- 背景
- 描き文字
- 効果線
慣れてくると効果線などは、下描きせずにいきなりペン入れすることも。
ですが慣れないうちは、下描きしたほうが確実です。
下絵を描く順番ですが、これは人それぞれです。
下描きする順番は、
- フキダシとキャラクター
- 背景
- 効果線
を全ページごとに描いていきます。
①を全ページ描き、次に②を全ページ描くといった感じ。
ですがあくまで効率が良い方法なので、自分のやりやすい順番でOKです。
2.ミリペンでコマ枠を引く
全ページ下描きし終えたら、次はミリペンでコマ枠を引いていきます。
ミリペンとはその名の通り、ミリ単位で線が引けるペンのことです。
ペン幅は、0.01mm からあるので、あなたの好きな線幅を選びましょう。
おすすめは、0.6~0.8mmです。
コマ枠を引くときのポイント
定規は画像のようにして使います。
線を引くときは、定規のエッジの部分を使います。
こうするとインクが定規の下に入り込まず、原稿用紙を汚すことがなくなります。
効果線を引くときも同じ。さらに定規に1円玉を貼りつけると、インクが定規の下に入り込むリスクが限りなくゼロにできます。
これをやると原稿用紙と定規の接点が減るので、下描きがこすれず汚れにくくなります。
背景を描くときなんかに効果を発揮します。
3.キャラと背景のペン入れをする
ミリペンでコマ枠を引いたら、次はキャラなどの絵をペン入れしていきます。
ペン入れとは、インクで下描きを清書することです。
ペン入れに必要な画材は以下。
中にはインク内蔵型のペンもありますが、基本的にはペン軸にペン先を差し、インクをつけて描いていきます。
では、少し画材の説明をしますね。
ペン先
ペン先にはいろんな種類があり、描き味も違います。
- Gペン=強弱のある太めの線が描ける
- 丸ペン=強弱のある細めの線が描ける
- カブラペン=強弱のある線が描ける。硬め
- スクールペン=均一の細めの線が描ける
上記すべてを使う必要はなく、基本的に「Gペン」と「丸ペン」だけでOKです。
この2つの主な使い分けは、
- Gペン=人物などの主線
- 丸ペン=髪の毛や細かな個所、背景
また新しいペン先は、サビないように油が塗ってあります。
油が塗ってある状態でインクをつけるとはじいてしまうので、インクをつける ⇒ ティッシュでふき取る。を数回繰り返して油を取り除きます。
ペン先は使っていくと、だんだん先が開いていきます。
ペン先が開きすぎて描きにくいと感じたら、新しいペン先に変えましょう。
ペン軸
ペン先はペン軸に挿して使います。ペン軸は上図のやつですね。
ペン軸には太さや形などいろんな種類があります。おすすめはフリーサイズの木製ペン軸。
おすすめの理由は、
- どのペン先でも挿せる
- カスタマイズできる
です。
中でもフリーサイズのペン軸は、「Gペン」や「丸ペン」といった形が違うペン先でも挿せるので、1本あれば使いまわしができます。
さらに木製なので、ペン軸のしっぽの部分を切って、カスタマイズもできます。
しっぽの部分を切ると、ペン軸が軽くなって疲れにくくなるのでおすすめです。
もちろんそのまま使ってもOK。
自分好みにカスタマイズできるのがフリーサイズ・木製のペン軸の良い所です。
漫画インク
ペン入れに使うインクはパイロット社がおすすめです。
そのパイロット社からでてるインクは「製図用」と「証券用」の2種類あります。
- 製図用=インクの伸びが良いが、水に弱い
- 証券用=耐水性で水に強いが、消しゴムに弱い
それぞれメリット・デメリットがあるんですが、「製図用」を使う人が多いです。
もちろんプロも使っています。
ペン入れの仕方
ではペン入れに入っていきます。ペン入れをする箇所は、
- フキダシ
- キャラクター
- 背景
- 描き文字
- 効果線
です。ペン入れする順番もだいたい上記でOKです。
そしてペン入れで重要なのは、ただ単に下描きをなぞるだけにしないこと。
下描きはあくまで目安で、もう一度描くように魂を込めて描くのがポイントです。
特にキャラクターはなぞっただけと、魂を込めて描くのとでは仕上がりが違ってきます。
ベタ塗り部分は×印だけでOK!
ベタ塗りとは、髪の毛や服などの「黒く塗りつぶす範囲」のことです。
このベタ塗りする範囲をペンでふちどって、そこに×印をつけておきます。
ベタ塗りは下描きを消した後にまとめて塗っていくので、今は×印だけでOKです。
4.下描きを消す
下描きを消しゴムで消すことを「消しゴムかけ」といいます。
この「消しゴムかけ」を全ページにしていきます(実はこれが一番しんどかったりする…)。
消しゴムはどれを使っても問題ないですが、「MONO消しゴム」がオーソドックス。
消しゴムは下描きの部分だけでなく、原稿用紙全体にかけます。
これは手や定規などでこすれて汚れた部分を消すためです。
消しゴムかけであると便利なモノ
消しゴムで下描きを消したら、大量に消しカスがでてきます。
これを効率よく捨てるには、羽根ほうきがあると便利です。
消しゴムのカスをまとめて捨てるのに便利。
そして何より手も原稿用紙も汚さずに捨てられるのがメリット。
ただなくても困らないので、必要だな。と感じた方は使ってみてもいいと思います。
ちなみにわたしは「なんかプロっぽい!」って理由で使っていました。
5.ベタ塗りをする
「ベタ塗り」とは黒く塗りつぶすこと。髪や服や瞳などがベタ塗りの対象です。
ペン入れのときにつけた「×印」の部分を塗っていきます。
小さい範囲ならペン先にインクをつけて塗ってもOK。
ですが広範囲にわたるなら、筆ペンを使ったほうが効率が良いです。
筆ペンの使い方は下図のように、縦・横に塗っていき、ムラが出ないようします。
これを全ページ塗っていきます。
5.はみ出した部分を修正する
ペン入れやベタ塗りして、はみ出した部分。
そしてそれ以外のインクで汚れた部分を修正(白く塗りつぶ)していきます。
修正液は「ミスノン」がおすすめです。
キャップが筆になっていて使いやすく、プロも愛用しています。
使い方はミスノン本体をよく振って、分離している液体を混ぜて塗るだけ。
しばらく使っていないと、水分が蒸発して、液体がダマになったり、濃度が高くなります。
そんなときは水で薄めるとまた使えるようになります。
そのままでも細かな部分を修正できるミスノン。
ですがもっと細かなところを修正したい、そんなときは筆の毛束を少し切るとより細かい修正が可能になります。
通常用と細かい用、二つ用意しておくと便利です。
6.スクリーントーンを貼る
スクリーントーン、通称トーン。トーンの種類は、
- グレー
- ドット
- 柄
- グラデーション
- 背景
- 効果
などたくさんあります。
必ず使うものではないので、必要に応じて貼っていきましょう。
トーンを貼るために必要な画材は下記です。
では、各画材について簡単に説明しますね。
デザインカッター
家にある一般的なカッターナイフでもOKです。
ただ、専用のカッターの方が使いやすく、刃のつけ替えも簡単なので、デザインカッターがおすすめ。
トーンヘラ
トーンヘラは、トーンを原稿用紙に接着させるときに使います。
指やツメなどで代用できるのでなくても大丈夫が、ツメだとこすっていくうちに痛くなってきます。
なのでトーンヘラを使ったほうが良く、きれいに接着できます。
スクリーントーンの貼り方
原稿用紙の上からトーンを当てて、貼りつけたい範囲の大きさに切ります。
続いて、切りぬいたトーンを台紙からはがし、原稿用紙の上に軽くかぶせます。
トーンにシワや空気が入らないように注意し、貼りつける範囲に沿って切り抜いていきます。
綺麗に切り抜けたら、トーンを原稿用紙に接着させます。
切り抜いたトーンの上に、トーンの台紙や白紙などをかぶせ、ヘラやツメなどで擦ります。
これでOKです。
7.セリフを書き込む
アナログ漫画、最後の工程。原稿用紙にセリフを書いていきます。
セリフの印字は出版社にお任せするので、シャーペンなどで書いてOKです。
むしろペンでは書かないように注意してください。
全ページのセリフが書けたら、誤字脱字がないか確認して完成です。
アナログ漫画の描き方まとめ
アナログ漫画は必要な画材と、漫画原稿用紙の使い方を知っていれば描くことができます。
原稿用紙に描く手順については、人それぞれ違います。あなたのやりやすい方法で描いてもOKです。
画材も使いやすいようにカスタマイズしてOK。
漫画原稿用紙という無限のキャンパスに、面白い作品を描き綴ってくださいね。
【漫画の描き方】制作手順と初心者でも身につくテクニックを伝授 【完全初心者】漫画を描く道具とおすすめの画材を解説 漫画原稿用紙の選び方とおすすめ製品!プロ用と同人誌用ではサイズが違う 【これで解決!】漫画原稿用紙の使い方がよくわかる!そこに絵を描いちゃダメですよ!
立体感を出すにはどうしますか?
立体感を出すには線の太さを変えたり(影ができる面を太くete)、トーンを使って影を作ったりするといいと思います。
あとは人体の構造を理解すると、自然と立体感のある絵が描けるようになりますよ。