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魅力あるキャラクターの作り方とその魅力を最大限に活かす方法

キャラの魅力を活かす-アイキャッチ

誰しもが魅力あるキャラクターを作りたいと思っていますよね。

漫画のキャラクターを作るうえで、大切だといわれている要素があります。

その要素こそが、キャラクターの魅力になっていくんです。

ではその要素とはなんでしょうか。

それは

  • 読者の共感できる部分
  • 読者の憧れる部分

です。

この2つの要素をもつキャラクターが、魅力あるキャラクターとなります。

今回の記事ではその要素と、なぜそれが魅力的になるのか。について解説していきます。

そしてさらに、その魅力を活かす方法もご紹介したいと思います。

この記事の著者
らおん

漫画家

らおん

raon wawaji

プロフィール

SNS(X:@raon_wawaji)やWEBで活動する漫画家。
当サイトでは、長年にわたり身につけた漫画の知識や経験、スキルを基に発信しています。またペンタブや参考書など、漫画・イラストを描く人のために詳細なレビューもしています。プロフィール詳細

魅力あるキャラクターの作り方

キャラクターの魅力を把握する

魅力あるキャラクターの作り方は2つのポイントをおさえるだけでOKです。

そのポイントとは冒頭でお話した

  • 読者の共感できる部分
  • 読者の憧れる部分

この2つです。

共感できる部分とは

  • 甘いものに目がない
  • 休みの日とかはついついダラけてしまう
  • 可愛い(カッコイイ)人を見かけるとつい視線で追ってしまう

といった、「あー分かる~」と共感できる部分のことです。

もう1つの憧れる部分とは

  • 自分よりも強いモノに挑む勇気
  • 愛する人のために自分を犠牲にする
  • 唯一無二の才能を持っている

などの常人には理解できない突出した能力・感覚・行動ができる部分です。

この2つのバランスはとても大切で、どちらか一方だけだと不完全なキャラクターとなってしまいます。

もう少し詳しく説明しますね。

ストーリーが展開していくのは、「憧れる部分」の方なんです。

この「憧れる部分」というのは、そのキャラクターにしかできない行動・能力のこと。

キャラクターはこの力を発揮して、ストーリーを前へと進ませていきます。

しかし「憧れる部分」のみだと、読者はそのキャラクターに感情移入することが難しいんです。

それは、自分とは違いすぎるから。

常人には理解できない突出した能力・感覚・行動ができる部分が「憧れる部分」なので、

なんかすごいやつだなー。という感覚に落ち着きます。

そこで「共感できる部分」を見せて

あー、なんだ自分と同じじゃん!

と思わすことによって、そのキャラクターに感情移入させることができるようになるんです。

この2つの部分が魅力に感じるのは

『自分と同じ』でも『コイツすげー』となるからなんです。

見せ方としては、「憧れる部分」でストーリーを進展させ、その所々で「共感できる部分」をチラッと見せていくのがオーソドックスです。

では次は、ストーリーを展開させる「憧れる部分」、キャラの魅力を出すシーンの作り方をお話します。

キャラクターの魅力が出るシーンの作り方

キャラクターの魅力が出るシーンを作る

キャラクターの「憧れる部分」でストーリーは展開していきます。

ではどうやって「憧れる部分」でストーリーを展開していくのか。

それはそのキャラクターの憧れる部分となる、能力や行動を発揮できる状況を作ることです。

例えば、アニメ「ドラえもん」でいうと、ドラえもんは便利な道具をたくさん持っていますよね。

この場合、“ 便利な道具をたくさん持っている ”というのが、憧れる部分です。

そしてドラえもんの友達、のび太君はとても不出来で、何かしらの問題を多く抱えていますよね。

しかも困ったことがあると、すぐにドラえもんに泣きついてきます。

のび太君が抱える問題を解決するために、ドラえもんの道具が必要となります。

これで、ドラえもんの魅力が発揮できる状況になりました。

またドラえもんは、ネコ型ロボットでありながら、ネズミが大の苦手です。

「ロボット」という一見完璧な存在のようですが、「苦手なものがある」という「共感できる部分」ももっています。

だから長年愛される魅力あるキャラクターになっているんですね。

このようにキャラクターに「読者の憧れる部分」をつくり、それを活かせる状況やシーンをつくることで、キャラクターはより魅力的に映っていきます。

他にも、

  • 抜群の推理力が魅力のキャラクターなら、推理を必要とするシーンを作る
  • 超人的な運動能力を持つキャラクターなら、その能力を使うシーンを作る

たったこれだけで、キャラクターの魅力が出るシーンを作ることが出来ます。

では次から、その魅力を最大限に活かす方法を解説していきます。

その方法とは、なんだと思いますか?

キャラクターの魅力を最大限に魅せるには

キャラクターの魅力を最大限に魅せるには

キャラクターのもつ魅力(ここでは「憧れる部分」のこと)を最大限に活かす方法

それは・・・

このキャラクターじゃないとダメ!という【特別性】です。

この状況を打破(解決)できるのは、このキャラクターじゃないとダメ!

という【特別性】を伝えることで、キャラクターの魅力を最大限に引き出すことができます。

  • いくら便利な道具をたくさん持っていても、そんなやつがゴロゴロいたら?
  • 超難解な事件を解決できる推理力があっても、他のやつも解けちゃったら?
  • 極悪でめちゃめちゃ強い奴を倒せても、他のやつも同じことができたら?

そのキャラクターである必要はないですよね。

魅力的ではあるが、惹きつけられるほどではないはずです。

キャラクターの魅力を見せることは大事ですが、それが他のキャラクターにもできてしまうようでは、そのキャラクターの魅力を最大限に伝えられていないことになります。

かといって

「こいつを倒せるのは〇〇だけだ!!!」
「この謎を解けるのは〇〇しかいない!!」

などセリフだけで説明するのは論外です。

これは説明セリフとって、やってはいけないセリフの1つです。

他にもやっていはいけないセリフがありますが、それはこちらの記事で詳しく書いています。

やってはいけないセリフの書き方 漫画やシナリオでやってはいけないセリフの書き方7パターン!

ストーリーは語るものではなく魅せるものです。

では、そのキャラクターじゃないとダメ!、と伝えるにはどうすればいいのでしょうか。

それは、そのキャラクターの魅力(能力・行動)を使うことに制限をかけます。

推理力が魅力のキャラクターなら、二日酔いや頭痛などで頭が回らない状況を作る

キャラクターは魅力(能力・行動)を発揮できない

刑事やオーディエンスが推理するが、核心をつけず解決に至らない

このようにキャラクターの魅力に制限をかけると、他のキャラクターが挑戦するも事件を解決できずにいる状況になります。

つまり、解決できない状況を打破する者こそ、【特別】となります。

そうして、誰にも解決できない状況を作ったうえで、キャラクターにかけた魅力の制限を解除します。

事前に飲んだ薬が効いてきて、キャラクターの二日酔いや頭痛が治る

魅力である推理力を使って、事件を解決する

そのキャラクターにしか解決できなかった事件となる

キャラクターの魅力が最大限に伝わる

このように魅力に制限をかけ、そのキャラクターにしか出来ない状況をつくった上で、魅力の制限を解除すると読者に【特別性】が伝わり、キャラクターの魅力を最大限に伝えることができるようになります。

少年漫画によくある、ヒーローが遅れてくるパターンはこれに当てはまります。

ドラゴンボールのサイヤ人編やフリーザ編で

主人公の悟空が遅れて到着するのも

この状況を打破できるのは、悟空しかいないと伝えるためです。

もちろん状況の危機感や主人公の期待感を煽ったり、様々な効果を狙っているのですが、キャラクターの特別性を伝えるには、もってこいな作り方です。

もう一度流れをおさらいすると

推理力が魅力のキャラクターなら、二日酔いや頭痛などで頭が回らない状況を作る

キャラクターは魅力(能力・行動)を発揮できない

刑事やオーディエンスが推理するが、核心をつけず解決に至らない

事前に飲んだ薬が効いてきて、キャラクターの二日酔いや頭痛が治る

魅力である推理力を使って、事件を解決する

そのキャラクターにしか解決できなかった事件となる

キャラクターの魅力が最大限に伝わる

キャラクターの魅力(憧れる部分)を制限すれば、キャラクターの魅力は最大限に発揮することができます。

そして読者により魅力的に映っていくんですね。

まとめ:キャラクターの魅力は「憧れ」と「共感」。そして「特別性」

魅力あるキャラクターの作り方は

  • 読者の共感できる部分
  • 読者の憧れる部分

それを効果的に見せていくことです。

「憧れる部分(能力・行動)」を必要とするシーンを作り、読者に見せる。

さらに、それに制限をかけて誰も解決できない状況を作る。

そこでキャラクターの制限を解除し、状況を打破する。

そうした、このキャラクターにしかできない【特別性】を見せることで、キャラクターは魅力的になっていきます。

そしてストーリーのあいまに、読者の共感できる部分を見せていく。

これが、魅力あるキャラクターの作り方とその魅力を最大限に活かす方法です。

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