絵を描き始めてある程度のところで画力が伸び悩む。もっと人体を理解して構造から絵が描けるようになりたい。
そういったときに役立つのが人体解剖学です。
一般的なイラストの描き方系の本ではあまり深く言及されないため、そういった本に頼りっきりだと画力が頭打ちになりがち。
もっともっと絵が上手くなるために人体解剖学は、もはや必須といえます。
ということで本記事では美術解剖学・人体解剖学でおすすめの本を紹介していきます。
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美術・人体解剖学でおすすめの本7選
美術解剖学・人体解剖学でおすすめの本を紹介。
紹介するのは解剖学メインで解説しているものと、人体解剖学を使った絵の描き方を解説しているものの2つ種類があります。
目的に応じて選んでみてください。
スカルプターのための美術解剖学
スカルプターのための美術解剖学は、実写・3D・図解イラストを通して学べる人体解剖学の本です。
本書の特徴は筋肉の構造を、実際の人に当てはめて分かりやすく解説している点。
イラストでただ筋肉の境目を示していたり、平面的で実用性がなかったりする本とは一線を画します。
また骨格や筋肉の付き方だけでなく、それが人体的にどう動くのかまで書かれています。
下図は手についての解説。
指の長さや親指の曲がる方向、爪はどうくっついているか、などイラスト・実写などを駆使して書かれています。
YouTubeやSNSなど、いたるところでおすすめされている書籍。視覚的に理解できるため、初心者にもおすすめです。
ソッカの美術解剖学ノート
ソッカの美術解剖学ノートは、親しみあるカラーイラストで人体について学べる本です。
本書の特徴は学術本のような堅苦しい説明ではなく、フキダシを使ったりして、初心者にも理解しやすいよう噛み砕いている点。
また要所要所で分かりやすい例えやイラストが入ったりして、読者の理解度を上げてくれる点もいいところです。
ページ数が653ページと大ボリューム。読破しすべてを理解するのは大変ですが、それだけ内容が詰まった1冊になっています。
難しい内容を初心者向きに丁寧に書かれているので、これから本格的に解剖学を学んでいきたい人に最適です。
アーティストのための人体解剖学ドローイング:フォーム&ポーズ
アーティストのための人体解剖学ドローイング:フォーム&ポーズは、ドローイングするために必要な人体の知識が詰まった本です。
本書の特徴はドローイングが目的のため、人体構造のほかに絵を描くスキルを学べる点。
下図はX(幅)・Y(高さ)・Z(奥行)軸、つまり3D空間を意識して描かれた絵。
また絵を描くときに、筋肉のディテールをどう省略するかの目安も書かれています。
フォーム&ポーズとタイトルにある通り、動きのある絵を描くために必要な筋肉の知識、絵を描くための知識が載っています。
完全初心者には難しいですが、あるていど絵を書き慣れている人には刺さる内容。
人体解剖学とドローイングの描き方、両方知りたい人におすすめです。
スケッチで学ぶ人体解剖学
スケッチで学ぶ人体解剖学は、骨や筋肉の構造を知り、そしてそれを実践・応用できる構成で作られた本です。
タイトルにある通り、そのほとんどがスケッチで書かれているので、構造を理解するために模写するのに最適。
また筋肉や骨ごとに色分けされており、各部位が把握しやすいのも特徴です。
下図は全身の骨格を表した図。
上図のような人体構造の抑えておくべき基本的な解説をしたのち、人体の見方のコツやポーズスケッチの練習法など、実践的な内容になっています。
下図はいろんな姿勢から見た人体解剖の図。
ポーズの見方・捉え方のポイントを解説しています。人体構造を模写して覚えたい人におすすめ。
また同じ著者で手と足に特化した「手+足の美術解剖学」も刊行されています。
アーティストのための人体解剖学ビジュアルリファレンス
アーティストのための人体解剖学ビジュアルリファレンスは、240以上の写真で理解できる人体解剖学の本。
ハイクオリティな写真と図で、姿勢やポーズなど細かな点まで捉え、”人”をつくるのに役立ちます。
下図は胸郭と胸骨の解説。
実際の写真とイラストを使って、分かりやすい構成になっています。
続いて下図は写真で筋肉を示した図。
実写と照らし合わせて、筋肉の付き方を図解しています。
本書は人体解剖学の専門家が執筆されており、解剖学の基礎知識と専門用を知ることができます。
マイケルハンプトンの人体の描き方
マイケルハンプトンの人体の描き方は人体の仕組みと構造を理解し、躍動感あふれる人物が描けるようになる本です。
人体解剖学がメインではありませんが、人物を描くのに必要な身体構造を知ることができます。
そのため骨格や筋肉の構造のほかに、絵を描くスキルも学べる点が特徴です。
下図はアナトミー(解剖学)と動きについての解説。
アナトミーを理解すると動きの限界と範囲、動きによって変わる筋肉の形などを把握できるようになります。
また絵を描くスキルの方では、人体を簡略化して捉える方法やラッピングラインなど、画力向上に必須の内容が書かれています。
構造から人体をとらえるための指南書。内容は上級者向けではあるものの、その分かりやすさや有益さは初心者でも取り入れることができます。
本気で絵が上手くなりたい人におすすめ。
キム・ラッキの人体ドローイング
キム・ラッキの人体ドローイングは、解剖学と人体を図形化で捉える描き方を組み合わせた、ハイブリッドな本です。
392ページの大ボリュームで、そのほとんどは解剖学の解説で占めています。
ただ他の解剖学の本と違う点は、絵を描くことを目的とした解剖学であること。例えばイラストや漫画などで活用できるよう、動きの観点から解剖学を解説したりしています。
上図は左から図形化で捉えた絵、解剖学の絵、人物の絵と、分かりやすく3パターン描かれています。
基本的に本書は、解剖学と絵としての捉え方が載っているため、わかりやすいです。
またイラストや漫画で見ることが多くなった架空の生き物、人獣やクリーチャ―などの解剖学についても解説しています。
ドローイングという本のタイトルですが、絵を描くための解剖学もガッツリ学べる良書です。
イラストに使える美術・人体解剖学でおすすめの本まとめ
美術・人体解剖学でおすすめの本を紹介しました。
画力を上げたい、イラストのクオリティを上げたい、そんなときは人体解剖学を取り入れるのが最適です。
ぜひ本記事を参考に自分のあった本を探してみてください。
イラストの描き方で参考にすべきおすすめの本30冊!目的別に選びやすく紹介 人体ドローイング・ジェスチャードローイングにおすすめの本10選 デッサンでおすすめの本12選!人体・イラスト・ヌードなど目的別に紹介 スカルプターのための美術解剖学をレビュー!図解で理解する人体構造を学ぶのに最適な1冊 アーティストのための人体解剖学:ドローイングフォーム&ポーズをレビュー!絵を描く重要なスキルが学べる マイケルハンプトンの人体の描き方をレビュー!躍動感をとらえるアナトミーとデザインは絵描きの登竜門的な本 キム・ラッキの人体ドローイングをレビュー!初心者には難しいが図形化と解剖学のハイブリッドで画力は確実に上がる 人体の描き方マスターガイド!基礎から学ぶキャラクターデッサンをレビュー!絵の初心者が通るべき内容を網羅した本