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誰しもが魅力あるキャラクターを作りたいと思っていますよね。
漫画のキャラクターを作るうえで、大切だといわれている要素があります。
その要素こそが、キャラクターの魅力になっていくんです。
ではその要素とはなんでしょうか。
それは
- 読者の共感できる部分
- 読者の憧れる部分
です。
この2つの要素をもつキャラクターが、魅力あるキャラクターとなります。
今回の記事ではその要素と、なぜそれが魅力的になるのか。について解説していきます。
そしてさらに、その魅力を活かす方法もご紹介したいと思います。
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魅力あるキャラクターの作り方
魅力あるキャラクターの作り方は2つのポイントをおさえるだけでOKです。
そのポイントとは冒頭でお話した
- 読者の共感できる部分
- 読者の憧れる部分
この2つです。
共感できる部分とは
- 甘いものに目がない
- 休みの日とかはついついダラけてしまう
- 可愛い(カッコイイ)人を見かけるとつい視線で追ってしまう
といった、「あー分かる~」と共感できる部分のことです。
もう1つの憧れる部分とは
- 自分よりも強いモノに挑む勇気
- 愛する人のために自分を犠牲にする
- 唯一無二の才能を持っている
などの常人には理解できない突出した能力・感覚・行動ができる部分です。
この2つのバランスはとても大切で、どちらか一方だけだと不完全なキャラクターとなってしまいます。
もう少し詳しく説明しますね。
ストーリーが展開していくのは、「憧れる部分」の方なんです。
この「憧れる部分」というのは、そのキャラクターにしかできない行動・能力のこと。
キャラクターはこの力を発揮して、ストーリーを前へと進ませていきます。
しかし「憧れる部分」のみだと、読者はそのキャラクターに感情移入することが難しいんです。
それは、自分とは違いすぎるから。
常人には理解できない突出した能力・感覚・行動ができる部分が「憧れる部分」なので、
なんかすごいやつだなー。という感覚に落ち着きます。
そこで「共感できる部分」を見せて
あー、なんだ自分と同じじゃん!
と思わすことによって、そのキャラクターに感情移入させることができるようになるんです。
この2つの部分が魅力に感じるのは
『自分と同じ』でも『コイツすげー』となるからなんです。
見せ方としては、「憧れる部分」でストーリーを進展させ、その所々で「共感できる部分」をチラッと見せていくのがオーソドックスです。
では次は、ストーリーを展開させる「憧れる部分」、キャラの魅力を出すシーンの作り方をお話します。
キャラクターの魅力が出るシーンの作り方
キャラクターの「憧れる部分」でストーリーは展開していきます。
ではどうやって「憧れる部分」でストーリーを展開していくのか。
それはそのキャラクターの憧れる部分となる、能力や行動を発揮できる状況を作ることです。
例えば、アニメ「ドラえもん」でいうと、ドラえもんは便利な道具をたくさん持っていますよね。
この場合、“ 便利な道具をたくさん持っている ”というのが、憧れる部分です。
そしてドラえもんの友達、のび太君はとても不出来で、何かしらの問題を多く抱えていますよね。
しかも困ったことがあると、すぐにドラえもんに泣きついてきます。
のび太君が抱える問題を解決するために、ドラえもんの道具が必要となります。
これで、ドラえもんの魅力が発揮できる状況になりました。
またドラえもんは、ネコ型ロボットでありながら、ネズミが大の苦手です。
「ロボット」という一見完璧な存在のようですが、「苦手なものがある」という「共感できる部分」ももっています。
だから長年愛される魅力あるキャラクターになっているんですね。
このようにキャラクターに「読者の憧れる部分」をつくり、それを活かせる状況やシーンをつくることで、キャラクターはより魅力的に映っていきます。
他にも、
- 抜群の推理力が魅力のキャラクターなら、推理を必要とするシーンを作る
- 超人的な運動能力を持つキャラクターなら、その能力を使うシーンを作る
たったこれだけで、キャラクターの魅力が出るシーンを作ることが出来ます。
では次から、その魅力を最大限に活かす方法を解説していきます。
その方法とは、なんだと思いますか?
キャラクターの魅力を最大限に魅せるには
キャラクターのもつ魅力(ここでは「憧れる部分」のこと)を最大限に活かす方法
それは・・・
このキャラクターじゃないとダメ!という【特別性】です。
この状況を打破(解決)できるのは、このキャラクターじゃないとダメ!
という【特別性】を伝えることで、キャラクターの魅力を最大限に引き出すことができます。
- いくら便利な道具をたくさん持っていても、そんなやつがゴロゴロいたら?
- 超難解な事件を解決できる推理力があっても、他のやつも解けちゃったら?
- 極悪でめちゃめちゃ強い奴を倒せても、他のやつも同じことができたら?
そのキャラクターである必要はないですよね。
魅力的ではあるが、惹きつけられるほどではないはずです。
キャラクターの魅力を見せることは大事ですが、それが他のキャラクターにもできてしまうようでは、そのキャラクターの魅力を最大限に伝えられていないことになります。
かといって
「こいつを倒せるのは〇〇だけだ!!!」
「この謎を解けるのは〇〇しかいない!!」
などセリフだけで説明するのは論外です。
これは説明セリフとって、やってはいけないセリフの1つです。
他にもやっていはいけないセリフがありますが、それはこちらの記事で詳しく書いています。
漫画やシナリオでやってはいけないセリフの書き方7パターン!ストーリーは語るものではなく魅せるものです。
では、そのキャラクターじゃないとダメ!、と伝えるにはどうすればいいのでしょうか。
それは、そのキャラクターの魅力(能力・行動)を使うことに制限をかけます。
推理力が魅力のキャラクターなら、二日酔いや頭痛などで頭が回らない状況を作る
↓
キャラクターは魅力(能力・行動)を発揮できない
↓
刑事やオーディエンスが推理するが、核心をつけず解決に至らない
このようにキャラクターの魅力に制限をかけると、他のキャラクターが挑戦するも事件を解決できずにいる状況になります。
つまり、解決できない状況を打破する者こそ、【特別】となります。
そうして、誰にも解決できない状況を作ったうえで、キャラクターにかけた魅力の制限を解除します。
事前に飲んだ薬が効いてきて、キャラクターの二日酔いや頭痛が治る
↓
魅力である推理力を使って、事件を解決する
↓
そのキャラクターにしか解決できなかった事件となる
↓
キャラクターの魅力が最大限に伝わる
このように魅力に制限をかけ、そのキャラクターにしか出来ない状況をつくった上で、魅力の制限を解除すると読者に【特別性】が伝わり、キャラクターの魅力を最大限に伝えることができるようになります。
少年漫画によくある、ヒーローが遅れてくるパターンはこれに当てはまります。
ドラゴンボールのサイヤ人編やフリーザ編で
主人公の悟空が遅れて到着するのも
この状況を打破できるのは、悟空しかいないと伝えるためです。
もちろん状況の危機感や主人公の期待感を煽ったり、様々な効果を狙っているのですが、キャラクターの特別性を伝えるには、もってこいな作り方です。
もう一度流れをおさらいすると
推理力が魅力のキャラクターなら、二日酔いや頭痛などで頭が回らない状況を作る
↓
キャラクターは魅力(能力・行動)を発揮できない
↓
刑事やオーディエンスが推理するが、核心をつけず解決に至らない
↓
事前に飲んだ薬が効いてきて、キャラクターの二日酔いや頭痛が治る
↓
魅力である推理力を使って、事件を解決する
↓
そのキャラクターにしか解決できなかった事件となる
↓
キャラクターの魅力が最大限に伝わる
キャラクターの魅力(憧れる部分)を制限すれば、キャラクターの魅力は最大限に発揮することができます。
そして読者により魅力的に映っていくんですね。
まとめ:キャラクターの魅力は「憧れ」と「共感」。そして「特別性」
魅力あるキャラクターの作り方は
- 読者の共感できる部分
- 読者の憧れる部分
それを効果的に見せていくことです。
「憧れる部分(能力・行動)」を必要とするシーンを作り、読者に見せる。
さらに、それに制限をかけて誰も解決できない状況を作る。
そこでキャラクターの制限を解除し、状況を打破する。
そうした、このキャラクターにしかできない【特別性】を見せることで、キャラクターは魅力的になっていきます。
そしてストーリーのあいまに、読者の共感できる部分を見せていく。
これが、魅力あるキャラクターの作り方とその魅力を最大限に活かす方法です。
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