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評価:4
スケッチを始めたいけど、何から始めたらいいのか分からない。どうやって描けばいいのか分からない。
普通のデッサンやドローイングとは何が違うの?
そんな疑問を解消する、イラストの本としてもおすすめなのが「カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノ」です。
カフェスケッチとはいうものの、見て感じたことをスケッチできれば、人物・風景・それを描く場所は問いません。
本書の内容は著者、栗田唯氏の経験談をもとにカフェスケッチのやり方や、絵にストーリー性を載せる考え方などについて書かれています。
またストーリーアーティストでもあるため、アニメ・ゲーム・映画・CMなどの映像作品に関わる人にも役立つ内容です。
ということで本記事では「カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノ」の内容を詳しく紹介していきます。
- カフェスケッチに対する考え方や取り組み方
- カフェスケッチでする表現方法
クリックできる目次
カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノの内容
「カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノ」の目次は以下のとおり。
- 大切な3つのコト
- 日本に居られなかった僕が、ストーリーアーティストになった
- 現実を自分の目で見る
- 景色を切り取る
- 瞬発力のある絵
- VSTについて、もう少し
- 小学生の僕が大人の僕に教えてくれるコト
プロローグとエピローグ的な「大切な3つのコト」と「小学生の僕が大人の僕に教えてくれるコト」を除く、本編の内容を目次に沿って紹介していきます。
日本に居られなかった僕が、ストーリーアーティストになった
本章は著者、栗田唯がどうやってストーリーアーティストになったのか。その経緯が語られています。
ストーリーアーティストとは脚本をどんな絵で見せたらより伝わるか、を考えて絵を描く仕事。
アニメを作るときに、ボードにストーリーのいろんなシーンを描いて貼っていく、そんなイメージ。
アニメ・ゲーム・CM・実写映画など、映像作品に関わるお仕事です。
下図は著者がアメリカの授業で出された課題をもとに、絵で表現したものです。
左は「敗者達」。右は「ラッキー」。テーマをもとに思いついたイメージを、”伝わるか”・”わかりやすいか”・”もっと別の描きようはないか”などを考えていきます。
著者のストーリーアーティストになった経緯を語る章ですが、その経験で培った絵に対するマインドなども知ることができます。
現実を自分の目で見る
本章はカフェスケッチを描くためのヒントや、著者がカフェスケッチをしていたときに考えたことを語っています。
カフェスケッチ…カフェとは呼んでいても、どこで描いても何を描いても、現実で見たものを描くスケッチを総称してカフェスケッチといいます。
そしてそのカフェスケッチを描くことがハードモードだとしたら、ジェスチャードローイングはイージーモード。
下図は著者のジェスチャードローイングの絵。1~3分という短い間で描くので、気楽に行え、楽しめることが見つかったと語られています。
その他にも、「らしさ」を受け取る、ラクに描く、描くスピードも重要、など著者のスケッチに対する考え方が書かれています。
景色を切り取る
本章はスケッチにもある程度慣れてきた頃に意識する、フレーミングについて書かれています。
フレーミングとは、どこをどう切り取るか。人物と景色の両方を入れて、どの瞬間を描くか。
下図のパートは「フレーミングでストーリーを伝える」内容。
フレーミングを意識すると、一気に映画っぽさが上がったり、ストーリー性を帯びた絵になります。
瞬発力のある絵
本章は瞬発力のある絵について書かれています。
瞬発力のある絵とは、”一目見て伝えたいことが伝わる”・”誰が見てもこうとしか思えない”など、良いデザインがされた絵のこと。
下図はカフェにいる2人の関係を描いたもの。3パターンとも見た瞬間に伝わる、瞬発力のある絵。
スケッチをするときは、とらえた印象をクリアに伝わるように描くことが大事です。絵から二人の雰囲気が伝わってきますよね。
VSTについて、もう少し
本章はVSTについて書かれています。
VSTとは、ビジュアルストーリーテリングのこと。言葉なしに伝わる絵を描くことです。
そのために「伝える」にこだわること、伝わった先に「どう感じて欲しいのか」について書かれています。
下図はそのなかで「伝えるには、スピードが大切」なことにも触れています。
ゆっくり丁寧に描いた線より、イメージのまま勢いにまかせて描いた線のほうが伝わることもある。
なのでまずは”描く”。そこから”伝わるか”、”もっといい方法はないか”を模索していきます。
カフェスケッチはその模索するアイデアの種を集めることにも役立ちます。
カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノのレビュー
著者の体験談からカフェスケッチに対する考え方や、取り組み方が綴られた本書。
絵の描き方自体のレクチャーはほぼありませんが、どういう姿勢や取り組み方をすればいいのかが分かります。
実はこれはものすごく大切で、なにも考えなしに数だけこなすスケッチは、あまり意味がありません。
より魅力的な絵、見る者の心を揺さぶるストーリー性を感じる絵を描くには、本書の内容は欠かせません。
そんな考え方がたくさん詰まった1冊でした。
そうはいっても絵の描き方も知りたい!という人は、「はじめてのジェスチャードローイング 着衣とビッグシェイプ」がおすすめ。
感じた印象を伝わるように描く方法が載っている上図の本は、本書「カフェスケッチ感じることはタカラモノ」と相性抜群です。
ジェスチャードローイング、ビッグシェイプなど、でてくる単語も同じ。
本書を読んで絵の描き方も知りたくなったら手に取ってみてください。めちゃくちゃ役立ちます。
スケッチをはじめてみたいな、という人にもおすすめですが、最近絵を描いても楽しくない、という人にもおすすめです。
描くことが好きでずーっと描き続ける人がいますが、おそらくその人は絵を描くこと自体ではなく、絵でなにかを表現することが楽しいのでは?と思います。
そしてそのための方法が書いてある。本書を読んだ後はカフェスケッチがしたくなります。
カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノはこんな人におすすめ
「カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノ」はスケッチするときの考え方や取り組み方などが書かれています。
そんな本書をおすすめするのはこんな人。
- スケッチをはじめたい
- ストーリー性のある絵を描きたい
- 最近絵を描いていても楽しくない
カフェスケッチは絵の練習と違って「こう描かなきゃいけない」ということがありません。
感じたモノを表現する力、それを向上させるためのもの。
絵でなにかを表現したい、何かが伝わる絵を描きたい、そういう人におすすめです。
カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノの書籍情報
書籍名 | カフェスケッチ / CAFE SKETCH 感じることはタカラモノ |
---|---|
ページ数 | 168ページ |
著者 | 栗田 唯 |
出版社 | ボーンデジタル |
発売日 | 2023/12/22 |
価格 | 3,080円 |
著者は高知県出身のストーリーアーティスト。数々の映像作品、アニメーション作品に関わる。
現在はストーリーアーティストの専門チーム「ソイフル」を立ち上げ、クリエイティブ・ディレクターも務めている。
カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノのレビューまとめ
カフェスケッチ/CAFE SKETCH:感じることはタカラモノのレビューでした。
スケッチをはじめたい人、絵でなにかを表現したい人に参考になる内容です。
- カフェスケッチに対する考え方や取り組み方
- カフェスケッチでする表現方法