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評価:5
今まで数々の本をレビューしてきましたが、久々に「これはすごく参考になる!」と思う本が出版されました。
人体の構造もわかるし、描き方もわかる。そして絵が上手くなるための練習方法も載っている。まさに絵描きの初心者が知りたかった内容が網羅されている1冊。
そんなイラストを描くのにおすすめの本が「人体の描き方マスターガイド!基礎から学ぶキャラクターデッサン」です。
海外で人気の絵画講師、ゲームコンセプトデザイナーである著者が、約5年かけて執筆した本。
構造・描き方・練習法の3拍子揃った、完全無欠のイラスト参考書は、イラストレーター・漫画家・アニメーターなど幅広いクリエイターに刺さる内容です。
さらに意外と見落としがちなパースについても触れています。パースは背景を描くときだけでなく、キャラを描くときにも意識すべき点。
それはアイレベルによって顔・体のラインが変わるからです。(ボーダー服のラインが上向きか、下向きか、まっすぐかが分かりやすい例)。
つまりキャラを描くときの知識が網羅された恐るべき内容。デッサンの本としても、イラストの練習本としても活用できる、オールマイティな本に仕上がっています。
というわけで本記事では「人体の描き方マスターガイド!基礎から学ぶキャラクターデッサン」について詳しく紹介していきます。
- 人体構造とその描き方
- 人体の関節について
- 人体パースについて
- 人体フレームやブロック描き
- 人体を描く練習法
クリックできる目次
人体の描き方マスターガイドの内容
人体の描き方マスターガイドの目次に沿って、内容を紹介していきます。本書の目次は以下です。
人体フレーム
本章の人体フレームとは、骨格や筋肉だけでなく、体の比率や奥行き、動きなどを含んだもの。本章の内容を要約すると以下になります。
- 体の関節と筋肉の関係
- 人体の比率の理解
- パースの意識
- ブロックを使って体を描く方法
- 人体フレームを描く練習
人体を描く前に、体の比率や関節、パースについて触れていきます。ここが最初に頭に入っているか、いないかでは練習時の成果に差がでます。
とはいえ、まだ1章なので難しく考えなくてOK。人体フレームを描く練習では、棒人間を基盤に練習します。
顔と胸郭、腰を一塊で捉え、関節の位置を意識。関節のカーブ(鎖骨など)の向きが変わると、アングルも変わります。そのためパースについても知っておく必要があるいい練習です。
頭の構造
本章は人体の頭部について。内容を要約すると以下になります。
- 頭の骨格と描き方
- 顔の特徴
- さまざまな角度の見え方
- 顔の各パーツの描き方
- 髪の描き方
- 顔の筋肉と表情
- 頭部の総合練習
頭の骨格がどうなっているのか、図解解説があった後、その描き方の手順が載っています。
ブロックで比率を間違えないようにしながら、立体感を意識して描き進められます。
骨格だけでなく、眉や目、鼻や口、耳など各パーツも構造を理解しながら、描き方を学んでいけます。
さらに髪の毛の描き方も載っています。
3つのブロックで描くのを基本とし、毛束で捉える練習も載っているため、難しい毛束感や毛先の表現も描けるようになります。
胴体の構造
本章は胴体について。内容の要約は以下。
- 胴体の構造
- 首・腹部・胸の構造
- 骨盤と股関節
- 体型の違いを描き分ける
- 胴体の描き方
下図は胴体と顔を繋げる、首の構造について。
首が動くと頭も動く。首は円柱として表すことで立体感を出せます。
胸郭や腹部、骨盤の構造と描き方もしっかり解説されていて、人体を描くときの理解が深まるのも〇。
また下図では男女の胴体の比較も載ってあります。
上図では男女の違いですが、体型の違いやその練習についても解説されています。
腕と脚の構造
本章は腕と脚の構造について。内容の要約は以下です。
- 腕と脚の構造
- 肩・ひじ・前腕の構造
- 腕の描き方
- 腕の立体感の表現
- 股関節と下肢の構造
- 太もも・膝・ふくらはぎの構造
手と足以外の構造や筋肉、描き方について解説されています。
下図は肩の構造について。
肩は鎖骨とも繋がっており、腕とも繋がっています。そして肩の構造で大切なのは側面の厚み。いろんな方向へ動かすと、側面の厚みが変わます。
こんな感じで肩周りからの腕の動かし方や、骨盤周りの構造・太ももの動かし方まで、その描き方が載っています。
手足の構造
本章は手足について。内容の要約は以下です。
- 手・手首・指の構造
- 手の比率
- 手の立体感
- 手のサンプル
- 足・くるぶしの構造
- 足の比率
- 足と地面の関係
- 足の描き方
- 靴の描き方
手の描き方について書かれている本は多いですが、手首の構造に触れている本は、あまり見かけません。
手を描くとき地味に戸惑う、前腕と手の繋がりも解消できます。
下図は手の立体感についての解説。
パースの伸縮やボックスを意識することで、立体感のある手を表現できます。
続いて下図は足の描き方のポイントです。
かかとのディテールや足の指の起点など、足を描く上で重要なポイントが解説されています。
人体フレームの構造
本章は人体フレームの練習について。内容の要約は以下です。
- ブロック人間の描き方
- 筋肉の簡略化や動きについて
- 人物のクロッキー
- 人体フレームの総合練習
本章の特徴はブロック描きから、そこへ筋肉をつける、動きをつける、といった段階的にレベルを上げている点。
これまでの章で培った知識と練習を活かす構造になっています。
下図は基本となるブロック描きの手順です。
まずはこれがしっかり描けるようになると、筋肉や動きも簡単にステップアップしていけます。
以上が「人体の描き方マスターガイド」の内容です。
人体の描き方マスターガイドのレビュー
人体の描き方マスターガイドは、人体構造や簡略化した描き方、練習法といった内容が書かれています。
人体構造を解説したイラスト本は今では多くありますが、他書と違う点はキャラクターデッサンを軸としているところ。
単なる人体としての構造にとどまらず、絵を描くときを想定して構成されている点が特徴です。
そのため男女の違いや、体型の違い。パースについても触れ、アイレベルによる見え方の違いも解説されています。
また、本書と近しい部類の本に「マイケルハンプトンの人体の描き方」があります。
こちらも人体の描き方ですが、ジャスチャードローイングの要素が含まれており、人体構造と躍動感に特化しています。
より美術解剖学的な要素によっているのが、マイケルハンプトンの人体の描き方。解剖学と動きを出すための、ジャスチャードローイングを学びたい人はこちらがおすすめ。
一方、人体の描き方マスターガイドは、よりキャラクター表現に優れているため、初心者の入門書として最適です。
本書の内容を見て少し難しく感じる人は、もっとライトに学べるお絵描きチュートリアルがおすすめ。
人体の描き方マスターガイドはこんな人におすすめ
人体の描き方マスターガイドは、人体構造や人体フレーム、その練習方法など、キャラクターデッサンの基礎を学ぶことができます。
そんな本書をおすすめするのはこんな人です。
- キャラに立体感がない人
- 構造を理解した描き方が知りたい
- 男女の違いや体型の違いを知りたい
- 簡略化した描き方が知りたい
- 絵が上手くなる練習方法が知りたい
基礎から学ぶキャラクターデッサンと副題にある通り、初心者が通るべき絵の描き方が網羅されています。
人体を簡略化したブロック描きから、パースについての理解。人体構造や動きについての知識。そしてそれらの練習方法。
まずはこの1冊をとことん使いこなせば、画力は確実に上がっていきます。
人体の描き方マスターガイドの書籍情報
書籍名 | 人体の描き方マスターガイド 基礎から学ぶキャラクターデッサン |
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ページ数 | 296ページ |
著者 | 肖瑋春 |
出版社 | ホビージャパン |
発売日 | 2023/04/04 |
ISBN-13 (ISBN-10) | 978-4798631363 (4798631361) |
価格 | 3,960円 |
著者は「絵描きのハルにぃ」と呼ばれる、人気のデッサン講師。
SNSやWeidoで52万人以上のフォロワーがいて、美術解剖学に基づいた”確かな絵の描き方”を教えられています。
人体の描き方マスターガイドのレビューまとめ
人体の描き方マスターガイド基礎から学ぶキャラクターデッサンのレビューでした。
初心者が通るべき、絵の知識や練習法が網羅された1冊。デッサンが苦手な人にもおすすめです。
- 人体構造とその描き方
- 人体の関節について
- 人体パースについて
- 人体フレームやブロック描き
- 人体を描く練習法
※本記事の画像の一部はAmazonより引用しています。