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評価:4
絵を始めてイラストの本を読んだけど、なかなかうまくならない。もっと動きや対象物の特徴的な部分をつかんで絵に活かしたい。
そういった悩みなら、絵の練習方法の1つとしてあるドローイングが効果的。
そしてそんなドローイングでおすすめの本が「ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3」です。
本書はシリーズの3冊目、まだまだ続刊が予定されている人気の書籍です。
特徴的なのは、あらゆるモノの”捉え方”と”描き方”を単純化して解説してある点。
キャラクターや動物、乗り物など幅広く記載してあるため、事典のように必要なものを描きたいときの見本としても使えます。
というわけで本記事では、ロレンツォのドローイングチュートリアルvol.3の内容を紹介していきます。
- 捉え方と描き方の単純化
- キャラ・動物などのドローイング方法
- 乗り物や自然物のドローイング方法
- 記載内容が幅広いため事典的に使うのがおすすめ
クリックできる目次
ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3の内容
ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3の目次は以下のとおり。
キャラクターのデザイン
キャラクターデザインのチャプターで書かれている内容は以下です。
主にキャラに関するドローイング。下図はキャラの首の解説です。
首を円柱に図形化し描いている様子。また首らしく見せる筋肉についても書かれています。
続いて下図は歩き方。
歩き方はキャラの個性を伝える要素でもあるため、いくつかの例が載っています。
動物とモンスター
動物とモンスターのチャプターで書かれている内容は以下です。
参考にできる範囲は少ないですが、猫や犬などポピュラーな動物を描きたいときに役立ちます。
下図は猫の頭部のドローイング。
シンプルな図形に単純化し、そこから特徴的なパーツを誇張、さらにデフォルメする、といった手順をふんでいきます。
そのため複雑な要素を省き、初心者にもわかりやすい内容になっています。
続いて動物の鼻口部のドローイング。
上図は犬っぽい動物が例として書かれていますが、オリジナルのキャラやクリーチャーを描くための内容になっています。
鼻口部の特徴と捉えながら単純化して描いていきます。
乗り物と機械
乗り物と機械のチャプターで書かれている内容は以下です。
下図はロボットの手のドローイング。
人間の手をベースに、さらにデティールを描き込んでいく様子が書かれています。
続いて下図はプロペラのドローイング。
回転のときの見え方や、回転したときの表現方法について書かれています。
エレメント
エレメントのチャプターで書かれている内容は以下です。
下図は雲のドローイング。
雲のデザイン方法は、縦横に描いた2本のラインを使うというもの。そこからさらに雲らしく見える、ボリュームのつけ方なども載っています。
下図は雲拡張パック、いわゆるドローイング集です。
このチャプターでは雲以外の氷や、渦も書かれています。またモーションラインでは、動きを出すためのラインについて書かれているので参考になりました。
レイアウトと構図
レイアウトと構図のチャプターで書かれている内容は以下です。
構図を構成する要素、パースの知識や見え方による効果の違いなどが書かれています。
下図は交差するラインとタンジェントについて。
タンジェントとは2つのラインが隣接、または重なった状態のこと。絵の奥行きを消し去る原因です。
また下図の旅パートBでは、フレーミングによって与える印象の操作をしています。
旅立ちというテーマで、安定を与えるフレーミング。不安定感を与えるフレーミングについて書かれています。
ストーリー性のあるイラストを描くときは、こういった知識も重要。漫画にも活かせます。
自然の世界
自然の世界のチャプターで書かれている内容は以下です。
下図は骨のドローイング。
ファンタジーの世界観を構築するときにも役立つ骨、単純な図形化した描き方や骨で家を描く内容が書かれています。
下図は骨の拡張パック、いろんな骨のドローイングです。
架空の世界を構築する
架空の世界を構築するのチャプターで書かれている内容は以下です。
チャプターは”架空の世界を構築する”とありますが、現代でも通用する描き方が載っています。
下図はケーキとデザートのドローイング。
ホイップクリームやアイスクリームの描き方、デザイン的な要素について書かれています。
食べ物の描き方はあまり書籍化されていないため、貴重。ケーキとデザートというピンポイントですが、可愛いイラストではよく見かけるものなので、知っておいても損はありません。
続いて下図は高層ビルのドローイングです。
高層ビルをどのように演出し、どうバランスを取るのか書かれています。
遠近によるディテールの描き込み量なども参考になります。
ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3のレビュー
本書の特徴である”モノの捉え方と描き方の単純化”がわかりやすいため、初心者の人でも取っつきやすい内容になっています。
ただキャラや動物、乗り物や自然物など、カテゴリーが幅広いため浅く広くといった感じ。キャラのドローイングだけ、背景のドローイングだけを求めている人には向いていません。
これは本書の元となったサイト「How to THINK When You DRAW」を翻訳して書籍化しているため、仕方ないところではあります。
個人的にはキャラクターデザインだけ、乗り物だけ、自然物だけ、と、カテゴリー分けして書籍化してほしかったなぁと感じました。
なので本書にも記載ある通り、ドローイングのやり方というより、これが描きたいと思ったときに本書を取り出して、そのページを見て描く事典のようにして使うのがベター。
ただ模写するだけでも、コツや単純化する考え方などが身につくので、まったく参考にならないことはありません。
本書に載っているモノの描き方を知りたい人。ドローイングに触れたい人、楽しくお絵かきを続けたい人には最適です。
ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3はこんな人におすすめ
ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3は、キャラや動物、乗り物や自然物など、カテゴリーをまたいで幅広くそのドローイング方法が載っています。
そんな本書をおすすめするのはこんな人です。
- キャラや自然物など幅広くモノを描きたい人
- モノの捉え方や単純化する方法を知りたい人
- 楽しくお絵かきをしたい人
幅広いカテゴリーでドローイングするための描き方が載っているため、楽しくお絵かきを続けたい人におすすめです。
ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3の書籍情報
書籍名 | ロレンツォのドローイングチュートリアル Vol.3 |
---|---|
ページ数 | 186ページ |
著者 | ロレンツォ・エザリントン |
出版社 | ボーンデジタル |
発売日 | 2022/12/27 |
価格 | 2,530円 |
著者のロレンツォ氏は、オンライン情報サイト『How to THINK When You DRAW』を立ち上げ無料で公開。
それを元にしたロレンツォのドローイングチュートリアルは本書で3シリーズ目。まだまだ続刊が予定されています。
ロレンツォのドローイングチュートリアルシリーズの紹介
ロレンツォのドローイングチュートリアルシリーズの紹介です。
表紙 | ||||
---|---|---|---|---|
タイトル | ロレンツォの ドローイングチュートリアルVol.1 |
ロレンツォの ドローイングチュートリアルVol.2 |
ロレンツォの ドローイングチュートリアルVol.3 |
ロレンツォの ドローイングチュートリアルVol.4 |
ページ数 | 188ページ | 186ページ | 186ページ | 186ページ |
価格 | 2,530円 | 2,530円 | 2,530円 | 2,530円 |
紹介 | – | – | ||
リンク |
各シリーズはどれも以下の内容で構成されています。
- キャラクターのデザイン
- 動物とモンスター
- 乗り物と機械
- エレメント
- レイアウトと構図
- 自然の世界
- 架空の世界を構築する
同じ「キャラクターのデザイン」でもシリーズによって、書かれている内容が異なります。他の章も同様。
全シリーズ持っていると、絵を描ける範囲が幅広くなるのでおすすめです。
ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3のレビューまとめ
ロレンツォのドローイングチュートリアルVol.3のレビューでした。
ドローイングの始め方というより、こんなものが描きたい!から事典のように探してスキルを習得する本です。
とにかく画力をあげたい方には向いていないかもしれませんが、楽しくお絵かきをしたい方には最適です。
- 捉え方と描き方の単純化
- キャラ・動物などのドローイング方法
- 乗り物や自然物のドローイング方法
- 記載内容が幅広いため事典的に使うのがおすすめ
※本記事の画像は一部、Amazonより引用しています。