本記事のリンクには広告も含まれます
漫画界の中で最近勢いのあるジャンル、縦スクロール漫画(ウェブトゥーン)。
スマホで漫画を読むことが増えた現代では、その需要は高まり続けています。
縦スクロール漫画は従来の見開き漫画とは違う描き方が要求されます。
なので難しいと感じてしまいますよね。
しかし縦スクロール漫画の基本を学べば、難しくありません。
この縦スクロール漫画講座では、縦スク漫画(ウェブトゥーン)の特徴や表現方法、実践としての描き方が学べます。
本記事では実際に講座を受講し、自分用のメモ代わりとしても記録しています。
なので講座の内容が知れるだけでなく、受講する気がない方にも参考になるように書いていきます。
それでは詳しい内容をご覧ください。
当サイトではパルミーの漫画講座に特化して紹介しています。
というわけで本記事ではマンガ入門講座「効果・演出編」を詳しくレビューしていきます。
クリックできる目次
縦スクロール漫画の描き方の内容
講師は東京ネームタンクのたくじ先生。
東京ネームタンクはあらゆる漫画の描き方を研究・シェアしている団体です。
縦スクロール漫画の講座内容は、1回目と2回目にわかれています。
動画は上記あわせて1時間25分。
資料を見ながらの解説や、実際にネームをつくる過程も見られます。
それでは1回目の講座内容を紹介します。
1回目:ウェブトゥーンの特徴・解説
講座1回目はウェブトゥーン(縦スクロール漫画)の特徴を解説。
どんな特徴があるのか、そこから表現方法や描き方を模索していきます。
以下、1回目の内容です。
縦スクロール漫画の特徴
まずは縦スクロール漫画の特徴について。以下の特徴があります。
- ほぼ無限にコマをつなげられる
- セリフやコマをジグザグに配置する
- 次の展開(コマ)が徐々に見える
- 絵が動く
- 情報の読込に時間がかかる
- 「時間の流れ」を体感する
それぞれ講座内容をメモっていきます。
ほぼ無限にコマをつなげられる
スマホならではのスクロールで、ページをまたぐことなく、ほぼ無限にコマをつなげられる。
セリフやコマをジグザグに配置する
縦のスクロールに適するため、セリフやコマを縦にジグザグ配置する。
次の展開(コマ)が徐々に見える
スクロールすることで、徐々に次の展開が見えていく。
絵が動く
縦スクロールすることで、絵が動いているように見える。
情報の読込みに時間がかかる
従来の見開き漫画は、ページ内にコマがいくつもあるので、一瞬で情報が読者に伝わる。
一方縦スクロール漫画の場合、1コマ1コマ、スクロールしないといけないため、情報が読者に伝わるのに時間がかかる。
「時間の流れ」を体感する
スクロールで1コマ1コマ見せるため、見開き漫画より時間の流れをより体感できる。
スクロールするごとに時間の流れを、読者に体感させられる。
縦スクロール漫画のコマ割り
縦スクロール漫画にはコマ割りのタイプ(パターン)が4つあります。
- ロングタイプ
- 定形コマタイプ
- 段タイプ
- 1ページタイプ
それぞれのタイプをメモっていきます。
ロングタイプ
縦に長いタイプのコマ割り。以下の特徴があります。
- 縦スクロールの特性を最も活かしている
- セリフをじっくり読ませる
- 1コマずつ見せる演出が多い
・少女漫画向き
キャラの心理描写をしっかり描く作品に適している。
定形コマタイプ
すべてのコマの形が同じタイプです。
- 一定サイズのコマをつなげてストーリーを展開する
4コマ向き。
いわゆる4コマ漫画の形式。
紙面と違って縦の長さに制限がないので、4コマ以上コマをつなげて物語を展開できる。
段タイプ
1段ごとに区切ってコマ割りをしていくタイプです。
- 「段」ごとに読ませる
- 青年漫画のコマ割りに近い
- 縦スクロール漫画の初心者でも描きやすい
見開き漫画の1ページを、そのまま縦につなげたようなコマ割り。
そのため縦スクロール漫画に描き慣れていなくても、見開き漫画の要領で描くことができる。
1ページタイプ
見開き漫画の1ページ分を、一画面で見せるタイプのコマ割りです。
- 画面内に1ページ収まるようにコマ割り
- 細かいことを気にせず描ける
・1ページ漫画、ストーリー漫画向け
段タイプと違う点は、1ページ分画面に表示されるところ。
段ごとにスクロールするというよりかは、1ページごとにスクロールするイメージ。
見開き漫画を描くスキルを習得しているなら、最も描きやすい縦スクロール漫画のコマ割り。
読みやすい漫画の特徴
縦スクロール漫画はサクサク読めるのが利点。
読みやすい漫画には以下の特徴があります。
- セリフのコマやキャラをジグザグ(S字)に配置
- セリフは真ん中よりに配置
- 1コマor2コマずつ見せる構図を意識
- ページの境目をなくしている
- 余白がある
- 分かりやすいストーリー
講座内容からそれぞれの項目をメモしていきます。
セリフのコマやキャラをジグザグ(S字)に配置
基本的に下へ向かうようにジグザグに配置。
セリフは真ん中寄りに配置
セリフを極端に”はし”に配置するよりは、真ん中よりに配置するほうが読みやすい。
これは視線が大きく左右に揺さぶられないため。
1コマor2コマずつ見せる構図を意識
キャラの感情を伝えるためにはスマホ画面に、1コマor2コマずつしっかり見せる構図にする。
スマホ画面に3コマ以上表示されると、おのずとコマも小さくなり読みづらくなる。
ページの境目をなくしている
ページの境目をなくし、スクロールをなめらかにする。
余白がある
余白があるとセリフ・重要なシーンの情報が入ってきやすい。
分かりやすいストーリー
縦スクロール漫画は見開き漫画より、ストーリーの展開が早く感じるので、難解なストーリーより分かりやすいストーリーの方がサクサク読める。
読みづらい漫画の特徴
縦スクロール漫画では避けたい、読みづらい漫画の特徴です。
- セリフが平行で配置
- セリフが両端にある
- 文字数が多い
- ページの境目がはっきり見える
- 視線が「上に戻る」構図
- 90度回転させる演出
- キャラのアップが続くと圧迫感がある
- キャラクターの向きによっては視線が弾かれ読みにくくなる
以下に講座内容をメモしていきます。
セリフが平行で配置
横に並行で配置されているセリフ。
視線の流れが縦ではなくて横になってしまうため、”縦スクロール”が活かしきれず読みにくくなる。
セリフが両端にある
セリフが両端にかたよると、縦よりも横の流れが強まってしまう。
結果、縦スクロール漫画としては読みにくくなる。
文字数が多い
縦スクロール漫画は流れるようにスクロールして読んでいくので、文字数が多いと流れが止まり読みづらくなる。
スクロールする手を止めないように設計するのがコツ。
ページの境目がはっきり見える
縦スクロール漫画の基本は、流れるように下へ読み進められること。
ページの境目がはっきり見えると、その流れが止まってしまう。
視線が「上に戻る」構図
これもページの境目がはっきり見える、と同じ。
上に戻る構図(次のセリフが上の位置にあるなど)は、下への流れを止めてしまうため読みづらくなる。
90度回転させる演出
見開き漫画ではよくあるカメラアングルでも、縦スクロール漫画になると、横の視点移動がないため直感的に理解しにくいこともある。
キャラのアップが続くと圧迫感がある
見開き漫画でも顔マンガはよくない、とあるように、縦スクロール漫画でも顔のアップが続く構図はNG。
キャラクターの向きによっては視線が弾かれ読みにくくなることもある
縦スクロール漫画の基本は、視線がS字になるように流れること。
キャラの向き(目線)がS字から外れると、読者の読むリズムが崩れて読みにくくなることもある。
実際の縦読み漫画での表現
縦スクロール漫画は書籍化されることもある。
その時は見開きで読みやすいように修正・調整される。
書籍と比較したときの縦スクロール漫画の特徴。
- 極端な縦長・横長のコマが少ない
- 動き・空間・感情をコマの間隔で表現
- 吹き出しの配置や絵の構図は下へ向かうように視線を誘導
これまでのおさらい、みたいな内容。
加えて、縦長のコマを多用していると、書籍化(見開き)になったときに調整しにくい。
反対に縦スクロール漫画と比較したときの書籍の特徴はこちら。
- 視線誘導が多少自由
- 動き・空間・感情を横方向へ表現
- 縦スクロール漫画の65コマは書籍では約10P
書籍化を考えるなら、これらの違いを把握したうえで描くのがベスト。
ここまでの違いを要約すると、縦スクロール漫画は下記のようになる。
- 読みやすくなる率は高い
- 小さいコマ割りの漫画はより感情移入しやすくなる
- 情報が少ないからこそ次を読みたくなる
- 話が長くなる途中でダルくなることも
- 縦スク漫画1話は見開き漫画3~4ページ分
縦スクロール漫画はスマホで読むことが前提。
それゆえにコマ割りも小さくし、情報量も見開きよりも少なくする。
紙面と違い1話あたりの長さに制限がないが、長すぎると読むのがしんどくなる。(スクロール疲れや酔い)
簡潔にサクサク読み進められるのがよい。
縦読み漫画のカラーについて
縦スクロール漫画はカラー作品が多いのが特徴です。
そのカラーの傾向は次の2つ。
- 塗り方は自由
- キャラとセリフを目立たせるのが好ましい
塗り方は自由だが、ジャンルに合った塗り方を選んだほうがいい。
カラーもキャラとセリフを目立たせるように塗るのがいい。
カラーの役割
カラーはジャンルやキャラクターの感情を伝える、補助的な役割があります。
ここからはジャンル別カラーの例。
ラブコメ
全体的に淡く、背景の描き込みは少なくても大丈夫。
背景を描き込むよりは、キャラの感情を補正する色を背景に塗った方がいいこともある。
恋愛系とピンクは相性がいい。
ホラー
ダークな雰囲気。背景に黒、血の表現で赤を多用すると効果的。
ファンタジー
世界観表現のため、背景をしっかり描き込んでいる作品が多い。
例外パターン
動きが重要な以下のジャンルでは、色よりもコマや構図が重要。
- バトル
- アクション
- スポーツ
また複合ジャンルもメインのジャンルがどれかをはっきりさせ、シーンごとにジャンルに合った配色にする。
複合ジャンルとはいくつかのジャンルを含んだ作品のこと。
- 恋愛×バトル
- ホラー×アクション
- 恋愛×ファンタジー
1回目が終わった感想
縦スクロール漫画講座の1回目が終わった、個人的な感想です。
縦スクロール漫画をよく分析して、手法がまだ確立されていないものを”見える化”されている印象でした。
縦スクロール漫画ならではの表現・コマ割り・カラーがまさにそうですね。
これからドンドン新たな手法や描き方が確立されていく縦スクロール漫画ですが、基本的な要点はおさえているので学んでいて損はない講座。という感じでした。
2回目からは実践編ですね。描く上で役に立つのはここから。
2回目:見開き⇒縦読み変換
2回目は見開き作品を、縦スクロール漫画に変換したときの考察も入ってきます。
題材となった見開き作品は、東京ネームタンクの縦スク漫画を研究メンバー。作品名はこちら。
- 僕だって、キスがしたい
- 嘘かぷリブレット
- スピカ
- メテオさんストライクです
見開き作品を縦スクロール漫画に変換して、どういった点に注意したか。読者の感想はどうだったか。を見せてくれます。
- 入れられる情報量が少ない
- 視線の流れはS字を意識
- 縦の流れだけを意識
- 内容を詰め込みすぎると中だるみする
- 見開きに比べると話の進行が遅い
- スルスル読める
- インパクトのあるセリフは印象に残る
- 縦の方が感情移入しやすい
- 内容を詰め込みすぎると中だるみする
- 新キャラ登場の演出は期待感が高まる
- キャラのロングカットが映える
次からは実際に縦スクロール漫画のネームを描いていきます。
縦スクロール漫画のネーム
ネームはセリフやストーリーの進行がすでに決まっている前提で、縦スクロール漫画用につくっていきます。
縦スク漫画に慣れていないうちは、見開きでネームを作成⇒縦スクロールへの変換がベターです。
用紙を縦長のコマに切る。
下図のように右上から漫画を描きはじめ、下へスクロールすることを意識して書いていく。
S字を意識して、最初にセリフを入れる。
セリフを平行に配置しないように注意。
セリフを入れたら、1コマ1コマ割っていく。
視線が上へ戻らないように、構図を意識。
縦に長く見せる構図もOK。
間(ま)を表現したいときは、コマとコマの空白を多めにとる。
視線はS字や下へ向くように誘導すればいいので、見開き漫画よりも構図やセリフの配置が簡単です。
意識すべき点は「横ではなく縦でつなぐ」こと。
例えば見開き漫画で以下の構図があったとき、縦スクロール漫画ではこう繋ぎます。
2キャラ以上のセリフは、1コマ1つにしてわける。
また1キャラのフキダシが、2つに別れているときは縦にする。
基本的に横ではなく縦に繋げていくのが、縦スクロール漫画のコマ割り。
まとめ
これまでのまとめです。
- ジグザグ配置でスムーズに下へ流れるような視線移動を心がける
- 1コマもしくは2コマずつ見せる構図を意識する
- 動き・空間・感情をコマの間隔で表現する
- ページの境目をなくす
上記をふまえたうえで、縦スクロール漫画に向いている漫画と、向いていない漫画があります。
- 10~20代向けの恋愛漫画
- ホラー漫画
- 4コマ漫画
スマホで読むことを想定して、通学・通勤時間でもサクサク読めるジャンルが特に描きやすい。
反対に画面内での動きがメインの漫画は、縦スク漫画の特性上表現しづらく向いていないです。
- スポーツ漫画
- バトル漫画
縦スクロールでは横の動きは読みづらくなる。
自然と表現方法が限られるので、描いてはいけないわけではないが、向いていない。
もし描くなら、縦スクロール漫画でも読みやすい表現方法や、アイデアを取り入れる必要がありますね。
講座は以上で終了です。
さらに詳しい動画解説は以下からどうぞ。
縦スクロール漫画を受講した感想
今まで見開き漫画しか描いたことがなく、今回はじめて縦スクロール漫画に触れてみました。
見開き漫画を描くことに慣れすぎてしまって、縦スクってきっと難しいんだろうな、と思ってみましたがその逆でした。
見開き漫画はページめくりや、横の視線移動なども意識することに比べ、縦スク漫画は縦の視線だけを意識。
考えることが少ないのでコマ割りも簡単。
ストーリーや設定も入れられる情報量の少なさから、簡潔な方が向いています。
動画での解説もわかりやすかったので、すぐに描けるかな、といった感じです。
そして縦スクロール漫画は見開き漫画と同様に、これからのスタンダードとなっていくので今のうちに学んでおいたほうが絶対にいいですね。
インスタやTwitter、WEBサイトでも縦スクロール漫画をメインに投稿してみてもいいと思います。
初心者の方は縦スクロール漫画のほうが断然描きやすいはず。
これから漫画を描いていくならおすすめのスキルです。
イラスト・マンガのオンライン講座パルミーは、7日間無料で講座が受けられます。
7日以内に退会すれば料金はかからないので、気になる方はサクッと受講するのがおすすめ。
これからの時代、縦スクロール漫画のスキルはもっておいて損はありませんよ。
パルミーの講座を申し込む
パルミーは月額制のオンライン講座。なのでパルミーに入会しないと講座は受けられません。
しかし7日間無料体験ができるので、無料体験期間中に縦スクロール漫画の講座を受けるのがおすすめです。
無料期間中に退会すれば料金は一切かかりません。
講座の受講は、下記画像したにあるボタンから公式サイトへ移ったあと、「この講座を無料でお試し」ボタンをクリックでOKです。