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評価:5
いまいち画力が上がらない、人体構造も勉強しないといけないのはわかってる、でも難しくて手が出せない。
もっと最短距離で絵が上手くなる方法はないか…。
そんな悩みを解決してくれるのが「マイケル・ハンプトンの人体の描き方 躍動感をとらえるアナトミーとデザイン」です。
イラストを描くのにおすすめの本は数あれど、これほど絵が上手くなるのに適している本はありません。
本書の内容はジェスチャードローイングが入っていますが、人体解剖学についても書かれています。そのためデッサン本の入門書としても最適。
絵を描くすべての人が通るべき登竜門的な本です。
というわけで本記事では「マイケル・ハンプトンの人体の描き方」を紹介していきます。
- 人体の構成と仕組みの理解
- 簡略化した形の捉え方
- 人を描く作画の工程
- 動きある人体の作画方法
- ジェスチャードローイング
クリックできる目次
マイケルハンプトンの人体の描き方の内容
「マイケルハンプトンの人体の描き方」の内容を、本書の目次に沿って紹介していきます。目次は以下のとおり。
ジェスチャードローイング
マイケルハンプトンの人体の描き方では、直感的に描くことをジェスチャードローイングといい、そのための方法が書かれています。
抑えるべき点は人体の部位やフォームとバランス、反復とタイミング、ラッピングラインなど描き方の手法。
動きのある絵を描くために、どこを意識すればいいのかがわかります。
とくにラッピングラインは身体の向きを意識するのにめちゃくちゃ役に立ちました。
また、作例もたくさん載っていてわかりやすいです。
ランドマーク
ランドマークとは外見から確認できる、骨のでっぱりのこと。このランドマークを正確にとらえると、立体感がでてきます。
本章ではランドマークの箇所、胸郭と骨盤のボリュームやそれの繋ぎ方などが、人体を描く上で非常にタメになりました。
立体的に描くなら必須の項目。
フォームと連結
本章はここまでの総括的な部分。それと同時に練習方法についても書かれています。
球体、楕円、ボックス、それらを組み合わせた図形などは、身体をどの角度でも描けるようになる訓練になります。
この練習方法は絵の基礎。とくに円柱やボックスはいかに正確に描けるかで、絵の上手さが変わってきます。
正直この練習方法に出会ってから、絵の理解度がかなり上がりました。
頭部のドローイング
この章は顔の描き方が書いてあります。有名なルーミスの顔の描き方と同じく、球体の端を切り落とす描き方。
顔を描く手順や、各パーツの比率も記載されています。
顔のバランスが取れない人、決まった角度しか顔を描けない人は、この描き方が最適。
僕はこの手法を取り入れてから、顔を描くのが明らかにうまくなりました。こういった各パーツの配置の仕方や、描き方を知っておくと迷いがなくなります。
この章は何度も読み返す価値ありです。
アナトミー
アナトミーの章では、三角筋や腹筋など、形が見て取れる筋肉について書かれています。
それぞれの筋肉の形や動きなどをこの章で確認できます。
書かれているのは首、胸、お腹、背中の筋肉の部分。手や足は次章以降に記載。
美術解剖ほど本格的な人体構造ではないため、とっつきやすく分かりやすいです。絵を描くのに必要な部分だけを抽出してくれている感じ。
人体構造の入門編としても、本章はおすすめ。
腕
本章では「肩」「肩甲骨」「腕」など、腕に関係するアナトミーについて書かれています。
筋肉のつき方や動き、描く工程などが記載されています。
手
手の章では構造と比率、アナトミーやパースについて。
指の描き方も面白く、うまく描けたり立体感の出し方は参考になりました。
脚
脚は、骨盤から足首までの部分。骨のランドマークとアナトミーについて書かれています。
筋肉も色分けでわかりやすく描かれています。
足
足の章もこれまでと同様、骨格・アナトミー・動き・描く工程が記載されています。
足は普段まじまじと見る機会がないため、描くのも難しいパーツ。そんな足もいくつかの図形に置き換えて、わかりやすく解説しています。
布
布の章はそこまでページ数が多くありませんが、シワのできる仕組みを簡潔に解説しています。
このシワのできる仕組みは人体と密接に関わっており、腕を曲げたときや腰をひねったときなどに応用できます。
作例もたくさんあってわかりやすいです。
光と陰影
最後はライティングについて。光の8つの状態とエッジによる光と影の表現が書かれています。
ただこの部分は3ページほどでまとめられており、おまけ程度です。
以上が「マイケルハンプトンの人体の描き方」の内容。図解やイラスト多めのため、難しいこともわかりやすく理解しやすいのが特長でした。
マイケルハンプトンの人体の描き方のレビュー
まず結論からいうと、「マイケルハンプトンの人体の描き方」を読破したあと、画力が上がったのは明らかでした。というのも下図の練習法。
球体や楕円、様々な角度からの立方体にラッピングライン、そしてそれらの組み合わせ。単純なようで確実に効果のある練習法でした。
人体はすべて上記の形に置き換えることができ、形を正確に描けるようになると、立体感が養われていきます。
そうすると人体を描くときも応用が効き、いつのまにか絵が上手くなっている。これをもっと早い段階で知っておきたかったな、と思いました。
あと個人的に参考になったのは顔の描き方。
顔の各パーツの比率もそうですが、描く工程も他書では載っていない貴重な情報でした。
- 1.球
- 2.傾き
- 3.顎を加える
- 4.パース
- 5.比率
- 6.側面
- 7.耳
- 8.キーストーン
- 9.歯列
これは何度も練習しました。描きこなすには練習量が必要ですが、やっていくと顔の苦手意識もなくなります。
また描く指針があり、それに当てはめて描き進めるだけなので、バランスが崩れることなくどんな角度の顔でも描けるようになります。
あとはランドマークや筋肉の見え方なども参考になりました。
いくつかイラスト参考書を読んだけど、いまいち画力が上がりきらない人におすすめ。もうワンランク、ツーランクくらいは確実に上に行けます。
絵が上手くなりたいなら絶対もっておきたい1冊。
マイケルハンプトンの人体の描き方はこんな人におすすめ
マイケルハンプトンの人体の描き方はこんな人におすすめです。
- 動きが硬い絵から抜け出したい
- 骨格や筋肉のつき方、動き方を学びたい
- 立体感をつかみたい
- ある程度描けるがそれ以上画力があがらない
- 初心者向けのイラスト本ではもの足りない
イラスト初心者には難しい内容かもしれませんが、あるていど描ける人。初心者から脱したい人にはかなり役立つ内容です。
骨格や筋肉のつき方など、人体構造の入門編としても最適。
マイケルハンプトンの人体の描き方の書籍情報
書籍名 | マイケルハンプトンの人体の描き方 躍動感をとらえるアナトミーとデザイン |
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ページ数 | 240ページ |
著者 | マイケル・ハンプトン |
出版社 | ボーンデジタル |
発売日 | 2016/8/20 |
価格 | 4,180円 |
本書籍は、アナトミーをベースにした人体ドローイングの教科書として、世界各地の学校で採用され、ゲームスタジオやアニメーションスタジオではリファレンスとして利用されています。
引用:Amazon商品ページ
マイケルハンプトンの人体の描き方まとめ
マイケルハンプトンの人体の描き方のレビューでした。
動きのある人体を描くために無駄な要素を省き、かつ必要な要素をギュッとまとめた1冊。
過去たくさん本を読み漁ってきましたが、その中でもベスト1になるくらい良書。はじめて読んだときは衝撃を受けました。
本書を習得できれば画力アップは間違いなしです。
イラストの描き方で参考にすべきおすすめの本30冊!目的別に選びやすく紹介 人体ドローイング・ジェスチャードローイングにおすすめの本10選 イラストに使える美術・人体解剖学でおすすめの本7選!構造の理解と絵の練習に役立つ 大人も子供も!初心者の絵が上手くなるおすすめの本8選! 【画力アップ】読破数100冊越えから導くイラストの練習に最適な本5選 人体の描き方マスターガイド!基礎から学ぶキャラクターデッサンをレビュー!絵の初心者が通るべき内容を網羅した本 デッサンでおすすめの本12選!人体・イラスト・ヌードなど目的別に紹介 リズムとフォースをレビュー!躍動感あるドローイングの描き方で人物の流れがつかめる