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バトルマンガで強敵の存在は欠かせませんよね。
敵が脅威であればあるほど、どうやってその敵を倒すのか気になるものです。
「敵が主人公より強いかも・・・」と思うと、その敵と対峙した時の展開が、ワクワクハラハラしますもんね。
バトルマンガなら、敵の強さを上手く読者に伝えるかは重要な要素となります。
上手く伝えることができると、それだけで面白さは格段に上がります。
そこで今回は、敵などのキャラクターが“いかに強いか”を上手く読者に伝える演出方法をお伝えします。
ちなみにここでは、闘いの最中ではなく、闘う前の段階での演出方法となります。
闘う前に、“いかに強いか”を演出し、対峙した時のワクワク・ハラハラ・ドキドキ感を最高潮に盛り上げましょう!それが面白さに繋がっていきます。
クリックできる目次
1.NGなやり方
まず初めに、「これはしちゃいけない!」という方法をお伝えします。
それは
敵の強さを現すために、その敵自身に「俺は強い」と言わすことです。
これはダメです。いかにもザコキャラが吐きそうなセリフですよね 笑
超自信過剰で自己中なキャラクターならナシではないですが、最後に出てくるボスキャラ的存在のやつなら、そんなセリフは言わせちゃダメです。
マンガは語るより魅せろ
です。
本当に強い奴は、自ら俺は強いとは言いませんよね
また、マンガなのでセリフだけで説明しようとするのもNGです。
セリフだらけのマンガなんて、退屈ですよね?
なので、敵が強いなら「強い!」と本人が言うのではなく、読者が「コイツは強い!」と思ってくれるシーンを魅せましょう。
2.敵の強さを現す演出方法
「コイツは強い!」と、読者にどう感じさせるのか。方法を2つご紹介します。
ちなみに、ネーミングは私が考えました 笑
バトルマンガでは頻繁に使われている方法なんですが、その名前が分からなかったので利便性の為に今つけました!
演出方法の名前……
それは…
【ファーストインパクト】と【オーバーライドインパクト】です。
次項より詳しく解説していきます。
ファーストインパクト
名前の通り、初見で強さのインパクトを出し、読者の脳裏に「コイツは強い!」と刷り込ませる演出方法です。
まずは下記の画像をご覧ください。
この画像で何を感じるでしょうか。
この画像で伝えたいことはとてもシンプルです。それは…
【この人物一人で、街を壊滅させた】
です。
今は画像だけをご覧いただきましたが、マンガはストーリー展開しているので、強い奴の話をこの画像のようにたった一コマ入れるだけで、どれほど強いかを演出することができます。
同様に、“無数に人が倒れている中に、たった1人立っている”
これも、たった一人で倒れている奴らを全員倒した!という強さを演出できます。
これだけでOKです。すごく使いやすく簡単な演出方法です。
もう少し幅を広げるのであれば、強さの度合いによって周りを変えれば完璧です。
どういう事かというと、このファーストインパクトの肝は、ただ一人立っている奴ではなく、その周りの状況でそいつの強さを伝えていることです。
「街を壊滅させた」と「家を破壊した」では、その強さの度合いが違ってきますよね。
当然、街を壊滅させた方が読者へのインパクトは強く、同時にその敵への強さも強固なものになります。
破壊したのは、岩か、家か、街か、国か、星か、
倒れているのは、何人か、軍服や格闘着を着用しているか、武器を持っているか・いないか、
伝えたい強さがどれくらいなのかを考え、適切に演出していきましょう!
またこの方法は、最短わずか1コマで演出できるため、ページ数が限られている読切作品や、演出にページ数をかけたくない場合が適しています。
オーバーライドインパクト
こちらはファーストインパクトと違い、1コマではなく、いくつものシーンを重ねて強さを現していく演出方法となります。
とても参考になるマンガがあるので、その作品を例に解説したいと思います。
その作品とは、全世界で有名なバトルマンガ「ドラゴンボール」です。
このドラゴンボールは実にうまく「コイツは強い!」と読者に伝えている作品です。
一番分かりやすい例で言えば、フリーザ。
フリーザは悟空たちと闘う前から、「コイツは強い!」「ヤベェ奴だ!」と、感じたと思います。
そう感じた要因は、フリーザの強さを現すシーンを、いくつも見ているからです。
そのシーンをざっと箇条書きしましょう!
- 界王様が震えるくらい、手を出してはならない相手だと伝えている
- 何が起こっても冷静な判断をくだす
- 戦闘力53万という数値
- 激闘の末、地球から追い払ったベジータが怯えている
こんな感じでしょうか。
他にも、宇宙一やギニュー特戦隊などの要素もありますね。
界王様や戦闘力53万は、シンプルに「強いから危険!」ということを伝えられます。「さわるな危険!」や「猛犬注意!」みたいな感じですね。
何が起こっても冷静だということは、余裕を現します。器の大きさだったり、何かあっても自分が動けばすぐに対処できる自信の現れでもあります。強い奴はいつでもどっしり構えているものです。
そして「コイツは強い!」と感じる一番の要因は、ベジータの存在です。
すでにベジータは、悟空との激闘で強敵だということを伝えられています。
そのベジータが、逆らえないどころか怯えている奴がいる。
それだけで、ベジータよりとんでもなく強い!ということが分かります。
ということは、フリーザは悟空よりも…
強い!!!
ですね。
こうした、「コイツは強い!」と思わすシーンを、いくつも重ねて魅せることで強さを演出することが出来ます。
特に“怯える”という行為は、簡単に相手の強さを現すことができる簡単な演出です。
ピッコロたちが、束になっても勝てなかったナッパが調子に乗った時も、ベジータの一声で冷静さを取り戻しましたよね。たったそれだけでベジータの強さを現すことが出来ました。
このオーバーライドインパクトは、ある程度のストーリー進行とページ数が必要となる為、連載やページ無制限の作品向けかな、と思います。
3.敵を使って主人公の強さを現す演出方法
こちらの演出方法もすごく簡単です。
読者に「コイツは強い!」と感じてもらえるように闘わせて、そう感じとってもらえたところで、その相手を主人公が瞬殺すればOKです。
ドラゴンボールの例でいうと、ナッパやリクームがそうですね。
ピッコロやベジータが闘うけど勝てない
もうダメだ!!!
と思ったときに、悟空が駆けつけてきて瞬殺する。
この演出方法は、主人公を際立たせるにも効果的な方法です。
この状況を打破できるのは主人公しかいない。いわば、見せ場です。
主人公を活かしたストーリーの作り方の記事もあるので、興味がある方はご覧ください♪
詳しい記事はこちら
ただし、この方法を頻繁に使うと、作品の中で急激なインフレ化が進み、キャラ間の強さのバランスと取るのが難しくなるかもしれません。
今回例に出した作品「ドラゴンボール」はこちらから
まとめ
以上が敵の強さを現す効果的な演出方法でした。
ファーストインパクトは、その中でも最も簡単な方法で、すぐに使う事ができるので初心者の方にもおススメです。
これはバトルマンガに限ったことではないですが、こうした細かな見せ方・演出は、作品を面白くするためには必要不可欠です。
面白い作品を創ろうとすると、ついついストーリーにばかり目が行きがちですが、ストーリーはあくまで物語の進行に過ぎません。
その進行に、彩りを加え、面白くなるのはこうした細かな演出だったりします。
ぜひ効果的に演出し、読者がハラハラ・ドキドキ、そして続きが気になるようなワクワクする作品を創ってもらえたらと思います。