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【場面設定-類語辞典の感想レビュー】広がる着想!場所からストーリーを作る方法

場面設定_類語辞典

シチュエーションや場面から、どうやってストーリーを展開していこうか悩んでいませんか?

または、次の作品はどんな設定で作ろうかな、と。

そんな方のために、今回は場面設定に特化した本をご紹介したいと思います。

かなり詳しく書かれているので、読み物としても面白いです。見てるだけでも、場面や場所からアイデアが浮かんできます。

その本とはこちらです。

「場面設定-類語辞典-」という本は、これまでにない画期的な本です。

この本は、フィルムアート社という出版社からでているのですが、他にもキャラクター作りに特化した本なども出されています。このシリーズはどれもおススメです。

それでは「場面設定-類語辞典-」がどんな内容なのか、見ていきましょう。

1. 「場面設定-類語辞典-」ってどんな本?

作品に登場する様々な場面、場所について書かれています。

1つの場面につき、見開き2ページで様々な観点から記載されています。収録数は全部で225場面とかなりのボリュームです。

収録されている場面は、いくつかにカテゴライズされているので、その一部をご紹介します。

【郊外編】

基礎設定
  • 地下室
  • 灯台
  • 農場
  • 教会
  • 地下室
  • ハロウィンパーティー
  • 工房

など他多数。

自然と地形
  • 砂漠
  • 温泉
  • 洞窟

など他多数。

学校
  • 更衣室
  • 職員室
  • 体育館
  • 校長室

など他多数。

【都市編】

基礎設定
  • アトリエ
  • カジノ
  • 劇場
  • 公園
  • 動物園
  • 図書館
  • 遊園地

など他多数。

交通機関・施設
  • 空港
  • サービスエリア
  • タクシー
  • 地下鉄

など他多数。

飲食店
  • カフェ
  • Bar
  • ファーストフード店
  • ベーカリー

など他多数。

小売店
  • ペットショップ
  • コンビニ
  • 花屋
  • 骨董品店

など他多数。

郊外と都市に大きくカテゴライズし、その中でさらに細かくカテゴライズしている感じですね。

中には、タトゥースタジオやアーチェリー場など、あまり馴染みのないものもあったりします。

そして、実際のページがこちらになります。

公園

体育館

ご覧の通り、かなり詳しく書かれているので、とても参考になると思います。

2. どんな使い方ができるか

では「場面設定-類語辞典-」でどんな使い方ができるのでしょうか。作る場面のイメージ段階に合わせて考察してみようと思います。

※あくまで個人的な考察です。本の中でも、どんな役割や使い方をするのかが書かれています。

2-1. 場面がまったく決まっていない場合

まだ作品作りに着手したてで、キャラや場面、シチュエーションなどなにも決まっていない場合。

そんなまだ何のイメージがない場合は、「場面設定-類語辞典-」に載っている場面を見てみます。いくつか自分の気になるものや、この場面だと話が広がりそうだなと思うものをピックアップします。

例えば、「こんな場面を書きたい」や「この場面好きだな」「この場面、イメージがふくらみそうだな」というふうに。

そしてその選んだ場面から、ストーリーを作っていきます。  ※実際にストーリーをつくる過程を後述しています。  →そこへジャンプ!

2-2. 場面のイメージがぼんやりある場合

イメージがぼんやりある場合は、その「ぼんやり」を明確にするため、「場面設定-類語辞典-」から、イメージにぴったりの場面を探します。

例えば、「ビンテージやアンティークもののストーリーが書きたい」というぼんやりとしたイメージがある場合は、「骨董品店」という場面を選ぶ。

「遊び人のキャラが書きたい」なら「カジノ」という場面を選ぶ、といった感じです。

そしてその選んだ場面から、ストーリーを作っていきます。  ※実際にストーリーをつくる過程を後述しています。  →そこへジャンプ!

2-3. 場面が決まっている場合

すでに場面が決まっている場合もあると思います。

例えば「様々なお客模様を描くためにホテルという場面」「裁判について書きたいので法廷という場面」など。

しかし、場面が決まっていても、そこでどんなストーリー展開をしていけばよいのか悩むときもあります。

そんなときに、「場面設定-類語辞典-」を活用すると、もっとその場面を活かしたストーリーを作ることができます。

すでに決まっている場面と、この本に載っている場面を照らし合わせて、同じか似ている場面から、ストーリーを作っていきましょう。

3. 得られるキャラクター作りの方法

それでは実際に、場面からどんなストーリー作りの方法が得られるのか、この本を使って試してみたいと思います。

場面は「子ども部屋」とし、本の項目に基づいて作っていきます。

子ども部屋

【場面:子ども部屋】

・見えるもの
色えんぴつで書かれた数枚の絵。  数冊のらくがき帳とクレヨンも置いてある。
・男の子(性別は男の子を選択)
アニメや漫画のフィギュアが棚にコレクションされている。
・聴こえるもの
お絵描きをするときのえんぴつの音
・匂い
お菓子を食べた甘い匂い
・味
お菓子と一緒に飲んだオレンジジュースの味
・質感とそこから受ける感覚
よく弾み、寝転がると気持ちのいいベット
・物語が展開する状況や出来事
悪夢を見る
・登場人物
主人公の友達

以上、本の項目に基づいてつくっていきました。

これをまとめて作ってみましょう!

子ども部屋

  • アニメや漫画が好きな主人公
  • その影響で絵を描くのが得意
  • 友達とお菓子を食べながら絵を描くのが好き
  • しかし、寝心地のいいベッドで寝るとなぜか悪夢を見るようになった
  • 友達に相談すると、悪夢をやっつけるヒーローの絵を描くように提案される
  • 友達と一緒にヒーローの絵を描く主人公
  • その夜、ヒーローと一緒に悪夢と闘い、やっつける夢を見た主人公
  • 目が覚めると、悪夢と闘った時の傷があり、夢ではなかったと感じる。
  • 絵に描かれたヒーローは笑っている

こんな感じでしょうか。「寝心地のいいベッド」である必要性を感じませんが、このあたりも作りこんでいくと、もっとしっかりした作品に仕上がりそうです。

お菓子やジュースなんかも、悪夢と闘う時のエネルギー源としてもよさそうですね。ピンチの時にポケットに入っていたお菓子を食べて、最後の力を振り絞って悪夢を倒す!みたいな。

悪夢の正体も、ナイトメアだったり、悪夢を見せてそれを食べる続ける悪い獏にしたり、敵としてもつくりやすいですね。

本の項目に基づいて当てはめただけですが、全く場面のイメージがない状態から、約30分もかからないくらいでできました。

場面を決めて作っていくと、途中からどんどんストーリーのイメージができてきたので、とても作品を作りやすいと思いました。

イメージがふくらんできたのは楽しかったですね。

場面からストーリーを作ることは、あまりないかもしれません。ですが、この本があれば作ることはできます。

ストーリー作りに悩んだら、ぜひ試してみてもいいと思います。

まとめ

この「場面設定-類語辞典-」によって、ストーリー作りはかなり楽になるのではないかと思います。

場面を決めるだけで、イメージが広がっていくのは楽しい体験です。

その場面やシチュエーションではなにをすればいいのか? 場面を活かした展開とは? そんな悩みを抱いている方にはぴったりの良書です。

また、1つの作品を作るにあたって、いくつも場所がでてくると思います。

各場面でどんな物語が展開できそうなのか、その参考にしてもらえればと思います。

この本と同じ出版社から、性格からキャラクターを作る本も出版しています。

「性格類語辞典 ポジティブ編」と「性格類語辞典 ネガティブ編」です。

こちらもとても参考になる本です。

性格類語辞典を紹介した記事もありますので、キャラクター作りに困ってる方は、ぜひ一度ご覧ください。