本記事のリンクには広告も含まれます
評価:4.5
イラストや漫画を描くときに重要なのがキャラの表情。しっかりキャラの感情を表現できれば、見る人をグッと引き込むことができます。
とはいえ表情1つとってもその表現方法はいくもあり、うまく描けないことも多いです。
そんなときに役立つ表情の描き方でおすすめの本が「キャラの気持ちの描き方!表情と感情の表と裏を描き分けよう」です。
タイトルに”キャラの気持ちの描き方”とあるように、仕草やポーズ、キャラクターの性格による描き分けなど、表情だけにとどまらないのが特徴です。
顔の描き方を学んだあとは、こういったキャラの気持ちの表現方法まで知ると、イラストに魅力がでてきます。
全身や雰囲気で表情・感情の裏と表を描きわける本はなかなかないので、まさにおすすめのイラスト本といえます。
ということで本記事では「キャラの気持ちの描き方!表情と感情の表と裏を描き分けよう」の内容を詳しくレビューしていきます。
- キャラの気分・感情による描き分け
- キャラの気質・性格による描き分け
- 対人関係による気持ちの描き分け
クリックできる目次
キャラの気持ちの描き方の内容
「キャラの気持ちの描き方!表情と感情の表と裏を描き分けよう」の目次は以下のとおり。
本の構成は3章。キャラの気分(感情)⇒キャラの気質(性格)⇒キャラのアクション・リアクションという流れになっています。
キャラの気分を表す基本を描こう
この章では基本的な喜怒哀楽や、目の表現について書かれています。
- 描く前に「どーする気?」
- 気分を描く基本は頭部と首と肩
- 喜怒哀楽+驚虚の表現
- 気分の明暗表現
- 気分の動静表現
- 気分を語る「目」を学ぼう
- 気分を演出する光とカゲの効果
下図はキャラの気分を描く基本について。
キャラの気分(気持ち)は首や肩と連動するため、この傾きも重要な要素。より自然で気持ちが伝わってくる絵になります。
続いて下図は目のデザインについて。
キャラの感情によって瞳孔の大きさや、黒目と白めの割合、ハイライトなどが変わってきます。
よくある表情の描き方系の本では、口角があがる、眉頭がさがるなどの表情筋にまつわることが多いです。
ですが本書では、それ以外で気持ち(感情)を伝える描き方が載っています。
個人的に参考になったのは、感情と連動する首や肩の傾き。ここの表現を取り入れるだけでも、ただ表情を描いている絵よりかは、グッと魅力的になります。
キャラの気質を描き分けよう
本章は陽気や陰気など、キャラの気質についての解説パートです。
- 陽気と陰気
- 強気と弱気
- 気が大きい・気が小さい
- 短期と気長
- 元気と病気
- 愛されキャラと憎まれキャラ
- 気は十色…くせのあるキャラたち
キャラの気質(性格的なもの)が違うと、同じ笑うという表情でも、描き方が変わってきます。なのでこれも重要な要素。
下図は「強気」と「弱気」なキャラの描き分けについて。
キャラクターデザイン的に、強気なキャラはつり目で活発。弱気なキャラはたれ目でおとなしそうに見える定番のデザインは、抑えておきたい内容です。
また「気が大きい」キャラと「気が小さい」キャラは、セリフやリアクションがなくても描き分けられます。
気が大きいキャラは体が開放的で、身体と腕の間に空間を作る。気が小さいキャラは体が閉鎖的で、身体と腕をピッタリとくっつける表現が適しています。
こんな感じでいろんなキャラクターの気質の描き分けが書かれているため、自分の中のキャラクターの引き出しが増えると同時に、その表現方法の幅も広げてくれます。
人間関係におけるキャラの気づかいを表現しよう
本章はキャラの気づかいの表現。「気心が知れる・知れない」「気が引ける」「悪気がある・ない」「気になる人がいる」などがその内容です。
- よくある人間関係の気持ち
- 異性が気になる揺れる気持ち
- 恋の気持ちを描く
キャラの”気づかい”の中でも、恋に関係するものが多い本章の構成。
以下は気を引くアプローチのバリエーションが載っています。
キャラの性格によって気を引くアプローチ方法も変わるため、いくつかパターンを知っておっくと表現方法にも幅が広がります。
続いて下図は、好きなのか嫌いなのか、”揺れる思い”の表現について。
本当は好きだけど”ツン”とする。ホントに嫌いなときの”ツン”などが解説されています。
キャラクターの微妙な気持ちやその変化について多彩な表現方法を示してくれるため、単純に表情を描くだけのイラストとは一線を画すテクニックが満載でした。
以上が「キャラの気持ちの描き方 表情・感情の表と裏を描き分けよう」の内容です。
キャラの気持ちの描き方のレビュー
本書はキャラの表情ではなく、“気持ちの描き方”というところが特徴であり他書とは違う点。
そして気持ちは顔だけでなく、全身に表れる。
確かに人の感情は表情だけじゃなく身体や仕草にも表れるため、そこも含めて描けるかが魅力的な絵を描くうえで大きなポイントになりそうです。
表情の描き方系の本はいくつか持っていますが、この身体の仕草や演出面をメインに触れている本はほとんどありません。
唯一似ている本に「キャラクターイラストの引き出しを増やすポーズと表情の演出テクニック」があります。
こちらは「小悪魔」や「クール」などキャラ属性に合ったポーズ、表情の描き方がメイン。キャラクター性をもたせる絵の描き方や、デザインに役立つ内容となっています。
キャラクターそのものを描くのがメインですね。
一方キャラの気持ちの描き方は、全身で気持ちを伝える描き方を解説しているため、絵にストーリー性を含ませることもできます。
どちらかというとイラストより漫画向きかもしれません。
また本書は気持ちの表現がメインのため、こんな表情のときはこの表情筋がこう動く。などの表情に関する具体的なお話はでてきません。
表情の描き分け自体を知りたい人は「表情-顔の微妙な表情を描く」がおすすめ。
細かな表情筋の動きを感情ごとに解説してくれるので、”笑うと口角が上がる”などの表面的なコツにとどまらず、本質的に表情を理解できるようになります。
気持ちの描き方である本書とあわせて持っておくと効果は絶大。
まとめると、キャラの気持ちを表現するのに身体や仕草などがいかに大切かを教えられます。
キャラの感情を描くのが苦手、いまひとつキャラの感情を出せない、そんな人におすすめの本です。
キャラの気持ちの描き方はこんな人におすすめ
「キャラの気持ちの描き方!表情と感情の表と裏を描き分けよう」はキャラの感情表現の方法を3つの切り口で解説している本です。
そんな本書をおすすめするのはこんな人。
- キャラの感情が伝わらない絵になってしまう人
- 生き生きとしたキャラが描けない・描きたい人
- キャラの感情が伝わる仕草や演出方法を知りたい人
本書はすでにキャラの表情をあるていど描ける人にもおすすめです。
それはキャラの感情を魅せる、表現するとは一体どういうことなのか?を知ることができるため。
表情だけでは伝わりきらない、キャラの全身からでる感情表現を、ぜひ本書で確かめてみてください。
キャラの気持ちの描き方の書籍情報
書籍名 | キャラの気持ちの描き方 表情と感情の表と裏を描き分けよう |
---|---|
ページ数 | 192ページ |
著者 | 林晃(Go office) 九分くりん(編集) |
出版社 | ホビージャパン |
発売日 | 2015/06/0 |
価格 | 2,090円 (電子:2,090円) |
マンガの基礎デッサンシリーズの著者。国内外に漫画の技法書を200冊以上出版している。
キャラの気持ちの描き方のレビューまとめ
キャラの気持ちの描き方!表情と感情の表と裏を描き分けようのレビューでした。
生き生きとしたキャラを描こうと思ったとき、表情の次に知りたい内容が満載。キャラの感情を表現するのは表情だけじゃないんだな、と気づかせてくれる良書です。
- キャラの気分・感情による描き分け
- キャラの気質・性格による描き分け
- 対人関係による気持ちの描き分け